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『伝送便』誌の2月号に寄稿した文章。このブログの1月17日更新記事に少し手を加えたものだ。 今この時間もTVでは『チコちゃんに叱られる!』の再放送をやっている。
年が明けて、一月一二日(土曜日)の朝のこと。 朝食を終えて食卓を片づけていると、食卓の近くに置かれたTVでは朝ドラ『まんぷく』が終わって、画面には五歳の女の子が登場している。 チコちゃんである。実物の女の子ではなくCG映像。 『チコちゃんに叱られる!』が始まったのだ。金曜の夜に放送されているのが、翌日、土曜の朝に再放送されるのである。 「好奇心旺盛でなんでも知っている五歳」という設定の着ぐるみの少女・チコちゃんが、レギュラー及びゲストの大人の解答者たちに、素朴かつ当たり前過ぎてかえって答えられないような疑問を投げかけ、解答者が答に詰まると、チコちゃんの顔がCGによって突然真っ赤になり巨大化、「ボーっと生きてんじゃねーよ!」という決めぜりふが飛び出す。そのあと専門家に取材をしたVTRを流して答を掘り下げるという番組だ。皆さんご存じですよね。 その日、チコちゃんが解答者たちに投げかけた質問の一つが、餅は関西では丸いのに関東ではなぜ四角いのか? ということであった。なるほど正月らしいテーマ設定である。 その理由は江戸時代における首都・江戸の人口急増にあるらしい。 ほんらい餅はどこでも丸いものであった。ところが、人口が増えた江戸では、餅を搗く商売の人が、搗いた餅をいちいち丸く捏ねる手間がとれない。それで、搗いたら「のし餅」の状態で買い手に渡す。買い手のほうでも、のし餅なら丸く捏ねるより包丁で四角に切り分けたほうが簡単。それで伝統を重んじる西国では今も丸い餅が主流だが東日本では四角くなった・・・そういう説明であったように思う。 ところで、関東では餅が四角いのは江戸時代に始まったこととすれば、ではそれ以前、もともと餅はなぜ丸かったのであろうか? その解明までは番組ではなされなかったように思う。 チコちゃんからは離れて、ふっと思い出したのは『もちはなぜまるいか』という題名の書物だ。書いた人は志賀義雄(一九〇一~一九八九)である。戦前、治安維持法違反で逮捕され、一九四五年に出獄するまで一八年間を獄中で過ごした。同じく「獄中一八年」の徳田球一とともに戦後の一時期、日本共産党の最高指導者であった。 ただ私は、そういう題名の本が存在するとは聞いたことがあるけれども読んではいない。そのことを番組が再放送された二日後に自分のブログに書いた。すると、それを読んだ知人のKさんが、なんと勤め先近くの図書館でその本を探し出してくれたのである。Kさんの好意に感謝するとともに、図書館というのは凄いところだと思った。もう70年以上前の本なのだから。 『もちはなぜまるいか』は共産党機関紙『アカハタ』の一九四七年一月一日号に同題の文章が掲載され、その一篇を含めて計八篇の民俗学的叙述が「科学のあたらしい発展のために」という副題を付けられて一九四八年に三一書房から出版されている。 同書によれば、古来、餅には霊魂が宿るとされ、柳田国男は心臓に似せて丸いとしたが、著者はそれには批判的で、むしろ稲束に由来するという。稲束の穂の膨らみを象ったというのである。どちらが当たっているのか(あるいは両説とも違っているか)素人の私にはわからない。狩猟と稲作のどちらからの影響を重くみるかが両説の違いの背景にはあるのだろうということは窺われる。 ところで我が家の雑煮に入れたのは「サトウの切り餅」だから四角い餅であった。関東だからね。
by suiryutei
| 2019-02-02 08:45
| 酒・蕎麦・食関係
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