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NHK朝ドラ『なつぞら』の今朝の放送で依田勉三の名前が出てきた。 ヒロインのなつが帯広に映画を観に行った帰りに寄った菓子屋の喫茶室でのこと。その菓子屋はヒロインが通う農業高校での同級生の実家で、同級生の父親である店主が新しく作った菓子<バターせんべい>をご馳走してくれる。そのときの会話の中で、依田勉三と彼が率いた晩成社の話が出てくるのである。してみると、この<バターせんべい>は実在する帯広の菓子の銘舗[六花亭]の看板商品<マルセイ・バターサンド>をモデルとしているのは間違いない。 依田勉三のことは一月ほど前このブログに書いたことがある。 上に貼り付けた過去ログにも書いたとおり、依田勉三の名に酔流亭が馴染みがあるのは、勉三の生家である西伊豆の依田家が温泉旅館を営んでいたとき宿泊して宿の人に勉三の話を聴いたことがあるのと、私淑する歴史家・色川大吉さんの著書『近代国家の出発』にも北海道開拓のくだりに勉三が出てくるからだ。 なお、色川さんのお弟子の一人で2006年に『近代国家の出発』が中公文庫から復刊されたときも解説を書かれていた江井秀雄さんと一昨年ある喫茶店で同席する機会があったが、同書は名著だけれども今日改めて書かれるとしたら北海道開拓の章では先住民族(アイヌ)の歴史についてもっと補筆される必要があるだろう、とおっしゃっていた。色川さんに続く世代の課題だろう。 ところで色川大吉さんといえば五日市憲法草案である。1968年、東京経済大学の色川ゼミが西多摩の草深い山里にある旧家の土蔵から発見した私擬憲法だ。明治憲法が制定されるより前に民間で構想されていたのに、こんにちの憲法と内容において通じるところが多い。6年前の2013年10月、当時の皇后・美智子さんが自分の誕生日に際して五日市憲法草案に言及したことも話題になった。前の天皇夫婦が、安倍政権とは違って憲法を大切に思っているとよく言われる根拠の一つである。 天皇夫婦の”内心”を護憲の拠り所とするかのような風潮には酔流亭は違和感を持つ。とはいえ、五日市憲法に関心があるという美智子さんのセンスはなかなかなものと、これは素直に感心する。
by suiryutei
| 2019-05-09 09:10
| 映画・TV
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