新人事制度 大阪での報告①~③
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『伝送便』10月号が完成した。一昨日に発送作業を行なったので、読者のお手元にはもう届いたかと思う。 巻頭コラム【伝書鳩】に先月起きた京急線踏切事故のことを書きました。事故後の報道は電車のほうの安全対策に集中していたように思う。それはもちろん大事なことだ。しかし事故の唯一の死者であったトラックドライバーの労働環境にも、もっと注意が払われるべきではなかろうか。 九月五日午前一一時半過ぎ、横浜市内の京急線踏切内で列車とトラックの衝突事故が起きた。トラックは狭い交差点を曲がろうと何度も切り返し、踏切内で立ち往生、そこに乗客約五〇〇人を乗せた快速特別列車が突っ込んだのだ。 京急線の乗客の負傷者は三五人。いずれも軽傷で死者は出なかったが、トラックの六七歳の運転手は死亡した。列車が迫ってきても運転席を離れず、最後まで必死で車を動かそうとしたのだろう。責任感の強い人だったに違いない。それが痛ましい。 トラックドライバーは運転だけでなく、荷物の積み込み・積み卸しも業務のうちである。この運転手も当日、午前四時に千葉県香取市の会社に出勤したというから夜中のうちから起きていたのである。それから横浜市の取引先に向かい、グレープフルーツやレモン、オレンジを積み込んだ。私たちの消費生活は、こうしたハードな労働に支えられている。 積み荷の運搬先である千葉県成田市方面に向かうには、横浜からなら首都高速横羽線に上がれば道も広い。ところが、トラックはそのルートはとらなかった。一般道を行こうとしたのだろう。車高三・八メートルあるのに二・八メートルしか通れない道に出くわして道を変え、事故現場の踏切に至ったようである。 本誌五月号にも書評が載った好著『物流危機は終わらない』(岩波新書首藤若菜著)によれば、トラック運転手の多くは高速道路を使用しない代わりに休憩をとらずに走る。高速代金の実費を収受できないケースが少なくないからだ。歩合給が普及しているので、運賃から経費(燃料、高速代)を差し引いた額の一定の割合を歩合として受け取るのである。そうした賃金システムもドライバーの負荷を増大させる。 今回事故を起こしたトラックについての運賃契約はどうなっていたのか詳細がまだわからないけれど、物流業界の過酷な働き方・働かされ方が事故の背景にあるのは間違いないのではないか。 ![]() 文中に触れた『物流危機は終わらない』(岩波新書 首藤若菜著)についての書評記事はこれです。
by suiryutei
| 2019-10-02 08:23
| ニュース・評論
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