新人事制度 大阪での報告①~③
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昨日開会した第200回臨時国会冒頭での安倍首相の「所信表明演説」は、例によって内容空疎とだけ言ってすませておくわけにはいかないシロモノであった。ここでは結びの<五・終わりに>のところについてだけ触れておきたい。ネットに配信されている演説全文からその箇所を貼り付ける。 「提案の進展を、全米千二百万の有色の人々が注目している。」 第一次世界大戦終結にあたってパリで開催された講和会議での日本代表団の振る舞いについて述べているのである。すらっと読んでしまうと、まるで日本代表が高潔な理想を掲げて植民地主義と対決したみたいである。 けれどもこれはとんでもない歴史の偽造だ。 現実の日本代表団の獲得目標(日本政府の外交方針)は、中国・山東省の旧ドイツ権益の譲渡と赤道以北のドイツ領南洋諸島の割譲であった。また「世界中に欧米の植民地が広がっていた当時」と言うけれども、日本だってその時点(1919年)で朝鮮を植民地支配しており、その足元では3.1独立運動が燃え広がっていたのだ。 「『人種平等』を掲げた」と言うのは、国際連盟の発足にあたって人種平等の条項を加えるよう日本が提案したことを指すのだろうが、成立後の国際連盟において日本が人種的偏見によって不利になることをまぬがれようとする一国的な打算によるものであった。当時においてだって、少なくとも建前としては「人種平等」を否定する国はなかった。しかし、それが日本一国の狭い駆け引きから出た提案であるのがミエミエだったから各国代表は冷淡にあしらったのである。 書いておかねばならないのは、労働法制委員会における日本の委員の対応だ。委員会において日本の代表は賛否を即座に決することができず、いちいち本国政府の訓令を仰いだが、それがまるで資本家の要求そのものであった。委員会の決議する労働条件を日本だけはなんとかまぬがれようとして、牧野伸顕全権(上に貼り付けた安倍演説に出てくる、あの牧野伸顕だ)は10カ年の適用猶予を交渉した。 これを見て欧米諸国は、日本が自国の労働者にさえ差別的待遇を与えているのに、外国に対して人種平等を要求するのは矛盾ではないかと批判したのである。 マスメディアや野党指導者の安倍所信表明に対するコメントで、この部分に論及されたのを見ない。あまりに問題山積の演説だったので、そこまで言い及べなかったのかもしれないけれど、こんな歴史の書き変えを放っておいてはならないと思う。
by suiryutei
| 2019-10-05 09:21
| ニュース・評論
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Comments(2)
Commented
by
saheizi-inokori at 2019-10-05 10:24
金子みすゞを引くのには薄気味悪ささえ感じました。
おそらく誰かに入れ知恵されなければ名前すら聞いたことがなかっただろうと思います。 このブログをリンクして紹介させてください。
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by
suiryutei at 2019-10-06 08:16
佐平次さん、おはようございます。佐平次さんのブログ記事にも強く共感します。パリ講和会議については百田あたりの無学者からの入れ知恵?
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