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大雨被害は熊本県から九州全域、さらに列島のあちこちに拡がってきた。穏やかならざる七夕の朝である。 しかし、普段通りのブログ更新を続けよう。じつは今日UPする文章は昨日、辺野古基地反対行動で防衛省前に出かけていく前にあらかた書いておいたもの。防衛省前では絶対に降られると覚悟していたが、幸い抗議行動の間(午後6時半~7時半)は雨雲が切れていた。一緒に参加した郵政シルバーユニオンのSさんが「オレは天候運がいいんだ」と微笑む。 ![]() ここからが今日の本文です。 先週初めにNHKBSで放映された『ダンス・ウィズ・ウルブス』を録画しておいて、一昨日の日曜に視た。3時間を超す長編だが、他に4時間に及ぶ完全版というのもあるらしい。 1990年公開。従来の西部劇映画とは違う視点から先住民を描いていると公開当時評判になったのを記憶している。録画を視る前にウィキペディアを覗いてみたら、監督・主演であり、制作にも名を連ねるケビン・コスナーはドイツ、アイルランドとともに先住民チェロキー族の混血だという。 南北戦争の戦塵がまだ収まらない頃、北軍の将校(中尉)である主人公が(白人から見ての)辺境地帯に赴き、そこで暮らす先住民スー族との交流を深めていく。集落に招かれるまでになって初めて知った先住民の人々の暮らしぶりは ・・そのすべての成員は自由人であり、たがいに他の自由をまもりあう義務を負っている。個人的権利のうえでは平等でーサケム(首長)も戦争指揮者も、なんの優位をも要求しない。彼らは血の靱帯によってむすばれた一つの兄弟団体をつくっている。自由・平等・友愛は、かつて成文化されたことはないけれども、氏族の根本原理であった。そして、氏族はさらに全社会制度の単位であり、組織された先住民社会の基礎であった。万人が先住民においてみとめる不屈な独立自存の精神と挙措の個人的威厳とは、これによるものである。 上に引いたのは、先住民のひとつイロコイ族を調査したアメリカの人類学者モルガンの著『古代社会』中の記述。エンゲルスの著『家族、私有財産および国家の起源』から孫引きした。 映画における先住民スー族の人々の姿も、ほぼこのようなものであるようだ。 先住民の生活はバッファロー(野牛)にかかっていたことも映画は描く。角は武具や飾りに、皮は衣料や敷物、肉は食料に。先住民はバッファローを全て利用し尽くした。だから生活に必要な頭数だけ確保すれば、それ以上の無駄な殺生はしない。ところが、先住民が暮らす土地に次第に押し入ってきた白人たちは、先住民にとって命の糧であるバッファローを遊び半分の狩猟で激減させていく。高校のとき世界史の綿引弘先生に、アメリカ先住民にとってバッファローがいかに貴重なものであったかを教わったことを思い出した。 さて北軍将校である主人公は初め、先住民との平和共存のための使者たらんと自らを考えていたらしくある。ところが先住民との交流が深まるうち、自分の存在の客観的位置というのは白人による侵略行為の斥候・先兵に他ならないのではないかと思い至るようである。そうしたストーリーの展開は視ていて納得できるものであった。 ただ、首をかしげたことが一つある。登場するもうひとつの先住民ポーニー族の描かれ方だ。スー族とは抗争関係にあり、主人公はスー族に加担して彼らと戦いもする。スー族の人々が実に「人間らしい」のに、彼らは好戦的で野蛮、従来ゆがめて描かれてきた「インディアン」の姿そのままなのだ。 風俗考証としても疑問が残る。スー族の人々が着衣なのにポーニー族の戦士たちは半裸だ。同じ気象状況で暮らしているのに不自然であろう。半裸姿が精悍さを印象づけ、いかにも野蛮、残忍というイメージを作り出すことには成功しているが。 監督コスナーは、頑迷な白人社会に作品を受け入れさせるため商業主義に妥協したのだろうか。 ウィキペディアの解説によれば、ポーニー族のこうした描き方には公開当時やはり批判が出たらしい。ところが、いまネットで映画の感想をいくつか読んでみても、これを不審とする声はあまり見当たらない。日本の映画鑑賞者たちはそれほど白人視点に同化してしまっているということだろうか。 先ほど名前を出した綿引弘先生の著書『世界史の散歩路』(聖文社)によれば、アメリカ大陸における先住民の推定人口は1600~1845年の間おおよそ1100万人余と考えられていたのが、1870年には2万5731人に激減した(29章「アメリカ合衆国の繁栄を支えた人びと」)。スー族の集落に北軍の兵士たちが武器を構えて迫っていくところで映画は終わる。そのラストシーンとあわせて暗澹たる思いに駆られる。 ![]()
by suiryutei
| 2020-07-07 08:39
| 映画・TV
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