新人事制度 大阪での報告①~③
最新の記事
タグ
労働(124)
辺野古(46) 郵便局(43) 文学(31) コロナウイルス(31) 韓国(19) 朝鮮半島(12) 映画(11) NHK朝ドラ(10) ひよっこ(9) 大西巨人(9) なつぞら(8) 神田まつや(8) 労働者文学(8) 神聖喜劇(7) 関西生コン労組(6) 狭山事件(6) ブレイディみかこ(6) ケン・ローチ(6) 蕪水亭(6) 最新のコメント
記事ランキング
カテゴリ
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 more... ブログジャンル
画像一覧
検索
|
同人誌『トルソー』(創刊は2016年)の第5号(2020年7月1日発行)を入手した。大西巨人『神聖喜劇』をテキストにした読書会などでご一緒したこともある人たちが何人も執筆陣にいることがまず嬉しい。たとえば同読書会で報告者を務めたことがある野田光太郎さんは去年亡くなった橋本治を論じ、同じく山本恵美子さんは山本周五郎の『さぶ』について論じる。二人とも若い人で、この同人誌の将来性を感じる。 第5号としては、その山本周五郎を特集している。すると、歴史と文学ということが、やはり論点のひとつになる。特集の冒頭に置かれているのは『歴史と小説の間でー山本周五郎「樅の木は残った」を読む』という評論である。執筆された牧子嘉丸さんは2014年の労働者文学賞受賞者だ。 『樅の木は残った』というと、酔流亭は小説は読んでいないけれど、むかしNHKの大河ドラマになって一年間放送されていたなとおぼろげに記憶している。主役の仙台伊達藩家老・原田甲斐を平幹二朗が演じていた。吉永小百合が可憐だった。放送は1970年というから、酔流亭は高校に進学した年のことである。 果たして、そのNHK大河『樅の木は残った』の時代考証に対してかつてなされた海音寺潮五郎の批判を牧子さんは取り上げ、その適否を論じられている。評論のタイトルにあるように、まさに歴史と小説の間について論じられたわけで、いつもながらの力作評論である。 その詳細については、書き出すと膨大になるのでここでは述べないけれども、酔流亭は『樅の木・・』の作品そのものからはちょっと離れて(そもそも読んでいないから何か言う資格がない)、江戸幕藩体制のいわば「二重構造」とでもいったようなことについて考えてみた。 以下、牧子さんに送ったメールから一部だけ引く。 ・・・江戸幕藩体制における徳川将軍家と譜代大名とは、譜代大名というのは元々徳川家の家来だったのが徳川の全国制覇によって大名になったわけだから、大名とはいえ徳川家との関係は主君と家来です(井伊、酒井、榊原、本多など)。この両者の関係は絶対君主と家産官僚の関係だったと思います。 さて周五郎作品で酔流亭の印象に残っているのは『むかしもいまも』という小編である。『樅の木は残った』のようなスケールの大きな作品ではない。主人公は不器用だが実直な大工。高校三年生のとき(というと1972年だ)TVドラマになって数週にわたって放送されたのを視て、そのあと原作も文庫版を買って読んだ。ドラマでは渥美清が主演して、彼が一途に思う棟梁の娘をたしか大空真弓が演じていたと記憶する。 大河『樅の木・・』とともに、これも、もう半世紀ほども前のことである。 同人誌『トルソー』は<群島の会>編集。連絡先は 千代田区駿河台1-1 明治大学文学部 塚田麻里子研究室内 電話・FAX 03(3296)2229 酔流亭は過去『トルソー』に一度だけ寄稿したことがある。2017年発行の第2号にだ。その寄稿文も下に貼り付けておきます。
by suiryutei
| 2020-07-09 08:16
| 文学・書評
|
Comments(2)
Commented
by
牧子嘉丸
at 2020-07-09 09:40
x
雑誌ご紹介ありがとうございます。
私は山本周五郎の文学を「庶民」の信実と人情を描いた作品だと思っています。決して「人民」でも「国民」でもないところが、大事ですね。 「樅の木」の歴史考証についても、周五郎の考えるように伊達藩取り潰しの計画が幕府にあったのか、海音寺が指摘すようにもうその時代にはなかったと見るべきか。面白いところですね。土田さんもまた投稿してください。 御礼まで。
1
Commented
by
suiryutei at 2020-07-09 16:07
牧子さん、コメントありがとうございます。『トルソー』が山本周五郎を特集したことに敬意を持ちます。私が書いたことも歴史に偏っているかと反省します。信実と人情が大事というのに同感です。
|
ファン申請 |
||