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1958年制作の西部劇『大いなる西部』の放映をNHKBSで視た。監督ウィリアム・ワイラー、主演グレゴリー・ペックといえば、あの名作『ローマの休日』(1953年)と同じコンビである。しかも『大いなる・・』ではこの二人は制作者としても名を連ねている。気が合ったのだろうか。 『ローマの・・』ではヒロインを演じたのがオードリー・ヘプバーンであるのは誰もが知っている。『大いなる・・』のほうのヒロイン役はジーン・シモンズ。この女優さんがヘプバーンに劣らず素晴らしく、酔流亭はすっかり魅了されてしまった。思い出せば、この人、映画『スパルタカス』(1960年)でもヒロイン役であったな。カーク・ダグラス演じた奴隷反乱のリーダー、スパルタカスの連れ合いを演じて、あれもよかった。 そういえば『ローマの休日』も『スパルタカス』も、脚本を書いたのはダルトン・トランボである。赤狩りに屈しなかった不屈の映画人だ。なお今回視た『大いなる西部』の脚本は別の人である。 タイトルのとおり映画の舞台は19世紀、アメリカ合州国西部の広野だ。ジーン・シモンズのヒロインは水源に恵まれた土地を祖父から相続している。近隣には、使用人を何十人も持つ二人の大牧場主がいて、この二人は犬猿の仲。どちらも水源のある土地を売ってくれとヒロインに強請っているのだが、どちらかに譲ってしまえば水源を独占して、もう片方を干上がらせてしまうだろう。そこでヒロインは祖父の遺言を守って土地を手放さず、両方に公平に水源を利用するのを認めてきた。 そこへグレゴリー・ペック演じる主人公が登場するところから映画は始まる。合州国の東部出身で船乗りだった彼は、大牧場主のうちの一方の娘と、彼女が東部を旅していたとき知り合い、婚約したのである。その大牧場主の娘(キャロル・ベーカー)とヒロインは友人である。・・詳しいあらすじは、下のネット記事でどうぞ。 感心したのは、非暴力の思想に映画が貫かれていることである。二人の大牧場主は30年来はげしく憎しみあい、手下の牧童たちも相当荒っぽい連中だ。主人公の婚約者も彼らと価値観を同じくしている。そんな中で、主人公は丸腰のまま対立を解こうとする。和解は容易ではなく、結局、大牧場主はお互いに撃ち合って共倒れしてしまうけれど、手下たちをその殺し合いに巻き込むことは主人公は阻止する。二人の憎しみあいに、冷戦構造に対する映画の作り手たちの批判を読み取ることもできるかと思う。 主人公とヒロインが結ばれていくであろう結末を心から祝福したいと思った。 ところで酔流亭はこの映画のTV放映をずっと前に一度視ている。たしか高校を卒業したばかりのことではなかったかと思ってウィキペディアで調べたら、果たして1973年4月22日・29日に2回に分けて日曜洋画劇場で放映されている。酔流亭はそれを視たのである。あの爽快感たっぷりな主題曲に乗って、広々とした荒野を馬が疾駆している場面は目に焼き付いているのだけれど、どういうストーリーであったかは全て忘れていた。そのときの酔流亭は進学した大学の一学期が始まったばかりで、それまでと環境がまるで変わってしまい、なにやら浮ついた気分でいたのではなかろうか。 あれから47年と半年が経った。西部の荒野を疾走する馬のように、歳月もどんどん走る。
by suiryutei
| 2020-09-26 09:14
| 映画・TV
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