新人事制度 大阪での報告①~③
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昨日は友人のIさんと一年ぶりで会って実に愉しい酒を飲んだので、今日はそのことを書くつもりだった。 ところが、昨夜は開かずじまいだった夕刊を今朝になって眺めていると、こんな記事が目に留まる。 物流大手アマゾンの米アラバマ州にある倉庫で労組結成の賛否を問う投票が行なわれ、賛成738票、反対1798票で労組結成は葬り去られたというのである。 残念なニュースだ。Iさんとの昨日の愉しかった酒のことはまた改めて書くことにして、今日はこのニュースについて考えてみたい。 思い出すのはマーチン・リット監督の映画『ノーマ・レイ』(1979年)だ。 この映画の結末では、やはり労組の賛否が投票で争われ、映画では組合派が多数をとって会社との団体交渉権を勝ち取るのである。そこにたどりつく前、サリー・フィールド演じるヒロインのノーマが劣悪な労働環境に抗議して作業時間中に立ち上がり、<UNION>(組合)と手書きで書いたプラカードを掲げる場面は今も目に焼き付いている。 今回のアマゾンの場合は、あの映画と結果が逆に出てしまったようだ。 このあたり、日本とアメリカでは労働法が違う。日本では、少数組合であっても団体交渉をする権利があるが、アメリカでは<唯一団体交渉条項>というのがあって、どの労組に労働条件の交渉権を委ねるかはその事業場で働く人たちによる無記名投票で決める。これはニュー・ディール下の1935年に作られた進歩的なワグナー法でそうなり、これによって産業別労働組合が事業場の中にユニオニズムを打ち立てることに道が開かれた。ところが戦後冷戦下の反動的なタフト・ハートレー法によって修正が加えられ、会社もまた「うちに労働組合は要りません」という働きかけをしてもよいということになった。 夕刊記事は「アマゾンによる行為は混乱や強制、報復への恐怖という雰囲気を作り出し、従業員の自由な選択を邪魔した」という小売・販売・百貨店労働組合(RWDSU)の抗議の声を紹介しているから、上記タフト・ハートレー法を利用しての会社によるえげつない妨害が行なわれたのではないか。 今回は一敗地にまみれたとはいえ、アメリカ労働運動の挑戦は続くだろう。酔流亭はつい一昨日の更新記事で郵便・物流業界における新しいユニオニズムを作り出す決意を述べたばかり。アマゾン労働者の苦闘に心を寄せつつ、日本において産業別の労働運動を創り出す努力を続けたい。
by suiryutei
| 2021-04-11 08:12
| ニュース・評論
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