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日本郵政が6年前から傘下に置いていた物流業トール社(オーストラリアやニュージーランドで業務を展開)を売却するというニュースについては先月23日に更新した記事で簡単に触れた。 上の更新記事の時点では詳しいことはまだ知らず、目にした新聞記事ひとつを頼りに書いたから、ずいぶんラフな内容である。 その後『伝送便』誌の来月号に論評を載せたほうがいいだろう、ということになり、今すこし調べているところだ。 トール社には主要には三つの事業部門があり、売却されるのはその一つエクスプレス事業である。宅配業を主に手がけている。企業価値として、簿価上は約690億円ありながら、赤字続きで時価はいくらにもならなかった。わずか約7億円で売却と決まったのは上掲の先月23日更新記事で述べたとおり。倉庫業など二事業は日本郵政に残るが、その簿価は約1000億円というけれど有利子負債は約2000億円溜まっている。トラの子は残したというより、売るに売れなかったか。 簿価で表わされる資産総額がどれほどであっても、今現在で利益を出していない企業の時価は安く買い叩かれる。その差額を利用してハゲタカどもは荒稼ぎするし、逆のケースもある。2015年に日本郵政がトール買収に6200億円を投じたとき、同社の純資産額は約1500億円と言われていたから、ずいぶん高い買い物をしたわけだ。今度は簿価690億円を7億円で手放すのである。グローバル資本主義の荒波の中で赤子の手をひねられたような無様さである。 ![]() ところで6月16-17日に岩手県滝沢市で開催されるJP労組第14回定期全国大会の議案書が5月12日付けJP労組新聞号外に掲載されている。このトール社売却問題については「経営改善と成長戦略の道筋」云々としか述べていない(1号議案4ページ)。つまり経営の心配をしているわけだが、労働組合ならまず心を寄せなければならないのは、これによってそこで働く人々の状況がどうなるかであろう。企業の買収・売却は、リストラの梃子にされる場合が多いのだ。 このブログを読んでくださっている人たちの中にはJP労組の現役の組合員も少なくない。全国大会に向けた討議の中で意見を反映させていってほしいと思う。 ※6年前にトール社を買収するとき『伝送便』に書いた論評(同誌2015年3月号掲載)も貼り付けておきます。当時の危惧が、ほぼその通りに事実となってしまった。
by suiryutei
| 2021-05-15 09:00
| ニュース・評論
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Comments(2)
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