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つかぬことだが先日、私は(中略)、大江健三郎と一緒に神田のそば屋で天ぷらそば(海老天二匹入)、わさび芋、それに、そばがきを二つ食って大いに満腹した。 上の文は安岡章太郎が雑誌『文藝』1974年2月号に寄せたものから。 なんでそんな古い文章を酔流亭が知っているかというと、丸谷才一の名著『食通知ったかぶり』にそれが引かれているからである。「『天ぷらそば(海老天二匹入)』なんて書き方はものを食べる喜びがあふれていて嬉しくなるではないか」などと丸谷は喜んでいる。 そうして丸谷はこのあと自分が神田の[藪蕎麦]で酒食した話を続けるのだが、しかし上の安岡文中にある「神田のそば屋」とは[藪蕎麦]ではない。丸谷も 「ここで安岡さんに電話をかけてみると、引用した文章の<神田のそば屋>といふのは別の店であった。」 とことわっている。 丸谷は店名を出していないけれど、この<神田のそば屋>が[まつや]であることは、安岡(と大江)がそばがきを食べていることでも明らかだ。手打ちを謳う蕎麦屋が増えた昨今ならともかく、1970年代に東京の蕎麦屋でそばがきを出す店は滅多になかったろうし、まして神田である。 さてさて酔流亭も昨夕、この神田[まつや]の暖簾をくぐった。そして(海老天二匹入)の天ぷらそばを食べたのである。 天ぷら蕎麦というのは、蕎麦屋の品書きの中で一番値が張るほうのものだから、酔流亭は普段滅多に注文しない。しかし、今は酒が飲めないのである。酔流亭の蕎麦屋酒は、おおよそ徳利2本だ。海老天一匹を徳利1本と考えればいいではないか。 ・・・・朝から、まったく阿呆なこと書いているけれど。 さて、大いに満足して店を出ると、朝から降り続いていた雨がようやく上がりかけている。旧国鉄万世橋駅遺構の煉瓦塀に沿って坂道を上がり、いまやJRとなった御茶ノ水駅の手前に架かる聖橋を渡った。 橋上を歩いて、ふと想い出す。ほぼ半年前、去年の11月末の満月の晩、こうしてやはり聖橋の上を歩いた。あの晩の満月は<ビーバー・ムーン>と呼ばれるものであった。その呼称の由来は、アメリカ先住民がビーバーを捕らえるワナを仕掛ける時季だからというのと、ビーバーが冬のためにダムを作る時季だからという両説あるということは半年前の更新記事に書いた。 あの晩は公孫樹の黄葉が素晴らしかったが、その公孫樹はいま新緑のさなかである。 昨夜は満月の翌日である。その満月は今年一番の大きさ(スーパー・ムーン)で、しかも三年ぶりという皆既月食をともなうものであった。一昨日の晩はもう雲が出ていて月食を観測することはできなかったけれど。 昨夕の月はまだまん丸なはずだが、雨はやんだといえ、雲がたちこめて、月は見えなかった。 半年がずいぶん早く過ぎた気がする。
by suiryutei
| 2021-05-28 09:00
| 酒・蕎麦・食関係
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