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一昨日の『ローマの休日』に続いて、昨日はNHKBSの同じ時間帯で『我等の生涯の最良の年』が放映された。どちらもウィリアム・ワイラーが監督している。後者は1946年の作品だ。 第二次世界大戦が終わり、同郷の3人の帰還兵が故郷に向かう飛行機にたまたま乗り合わせる。アルは太平洋戦線において日本軍と戦った陸軍軍曹で、平時に戻れば有能な銀行員である。フレッドは応招前はドラッグストアでソーダを売っていた。ヨーロッパ戦線で爆撃機を操縦して武勲を挙げ、空軍大尉に進んで除隊した。3人の中で一番若いホーマーは航空母艦で勤務中に火災に遭って両手の手首から先を失い、義手である。 描かれるのは彼らの戦後の日々だ。アルが息子への土産に寄せ書きがされた日章旗や日本刀を見せると、息子が広島の原爆投下のことを聞く場面がある。「レーダーやミサイルに原子力が結びつけば悲惨なことになるから人類は平和共存しなければと物理の先生が言っていた」。 3人が所属していたアメリカ合州国軍はドイツ・ファシズムと日本軍国主義を打ち倒した「解放軍」であるとともに、広島と長崎では一発の原子爆弾で何10万人もの命を奪う非人道行為を行なったし、映画では触れていないがフレッドが操縦した爆撃機はドイツ都市への非戦闘員無差別爆撃に参加していたかもしれない。第二次世界大戦の複雑な性格については酔流亭もコロナ禍がまだ拡がる前、労働者文学会の集まりで議論した憶えがある。 それにしてもウィリアム・ワイラー監督が平和共存を願っていた人であるのは、『大いなる西部』や『西部の男』を観ていればよくわかる。 アルの妻と娘、ホーマーの若い婚約者の優しさを透して、ワイラー監督ら映画の作り手たちの温かな眼差しが感じ取れる。フレッドは妻との関係が冷えてしまうが、映画の結びではアルの娘ペギーと新たな幸せを築いていくことになりそうだ。ワイラー作品はどの映画でも女性たちが素晴らしく美しい。 彼らの敵国・日本で戦争の10年後に生を受けた酔流亭だが、この映画に素直に感動した。
by suiryutei
| 2021-08-13 08:30
| 映画・TV
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