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今年の大佛次郎賞を受賞した『暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ』(堀川恵子著 講談社)の評判が高い。 もっとも、大佛次郎賞は朝日新聞が主催する文学賞であり、我が家の購読紙は朝日だから、酔流亭が目にする同作品の評が好意的なものが多いのは自然だけれど。 それはともあれ、大佛次郎最晩年にして未完の大作『天皇の世紀』に酔流亭は畏敬の念を持っているので、その著者の名が冠された賞を受賞した作品となればやはり気になる。 で、昨日たまたま都心に出る用事があったので本屋で購入すべく、連れ合いから本の代金2080円をいただいて家を出た。連れも同作に興味を持ったようである。また正確には2100円貰った。釣りの20円はお駄賃としてフトコロに入れるつもり。 まず上野駅構内エキュートにある書店に入る。文学賞を受賞したばかりの新刊なら、大抵は店頭の一番目立つところに平積みされているはずなのに見つからない。 それでレジに行って、『暁の宇品』の写真をスマホの画面に出して店員さんに尋ねた。超アナログ人間の酔流亭もこれくらいのことなら出来るようになった。 ところが、 「前のお客さんにも訊かれたんですが、いま品切れになってしまって・・」 ということである。 そういえば酔流亭の前に70年配くらいの男性がその店員さんに何か聞いていた。同じ本をさがしていたのか。 ところで、本をさがしているとき、売れ筋上位のランキングが目に入った。1位は百田尚樹の『日本国紀』であった。この本は記述の杜撰さが歴史家からずいぶん指摘されていると聞くが、酔流亭は読んでいないので、指摘の当否を言う資格はない。ただ、この著者の日ごろの発言を見るにつけ、こういう著者の書くものが売れ筋トップというのには、まことに月並みながら世の右傾化といったことを思わざるをえない。他方、ブレイディみかこさんの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』が3位に挙がっているのはちょっと嬉しかった。 このブログで何度も言及してきた『彼は早稲田で死んだ』(樋田毅)が、ベストテンの中には挙がっていなかったけれど割と目立つ場所に平積みされていたから、けっこう売れているのだろう。これも嬉しい。 なお、酔流亭が感想をフェイスブックのコメント欄を通じて著者の樋田さんに送ったとき、樋田さんは返信でブレイディさんの『他者の靴を履く』が参考になったと書いてくれた。『ぼくイエ2』の直前に出た本である。渡辺一夫の有名な問いかけ「寛容は自らを守るために不寛容に対して不寛容になるべきか」をどう受け止めるかという点において両者(ブレイディさんと樋田さん)は問題意識を共有している。 さて、上野の本屋を出てから、酔流亭は湯島の坂を上がって本郷に向かった。同三丁目に用事があったのだが、時間はまだある。本郷なら東大があるじゃないかと閃いた。学生街なのだから大きな書店があるに違いない、そこでさがそう。 本郷三丁目の交差点を右に折れて、東大の赤門や正門のあるほうへ歩く。 ところが、書店が無いのだ。古本屋ならぽつぽつある。酔流亭は普段なら新刊を揃える本屋よりも古書店のほうが落ち着くタイプである。しかし、この日に限っては古本屋では用を成さない。 本郷郵便局を過ぎ、カレーが有名な喫茶[ルオー]の前を過ぎても新刊を置く本屋は見つからなかった。むなしく本郷三丁目に引き返す。 ただ、銀杏並木の黄葉がちょうど見頃であるから、散歩をしたと思えばいい。写真を撮った。 前日に飛騨古川の[蕪水亭]東京出店に行ったとき、JR有楽町駅からお堀端に向かう街路の銀杏並木の黄葉がじつに見事だったが、そのときは[蕪水亭]あるじ夫婦の顔を一刻も早く見たくてスマホを取り出すのも面倒とばかり一目散にビルに入ってしまった(新有楽町ビル地下1階に出店していた)。この日は本郷の銀杏並木を撮影できたから、まあいいか。 歩いていて、閉じたままの店が多いのが目についた。もう冬休みに入って学生がいなくなったからばかりではなかろう。「売物件」とか「貸店舗」と貼り紙されているのが少なくない。前は古本屋だったり喫茶店だったもののようである。 学生街も不況なんだね。 『暁の宇品』は後日また別の街でさがそう。
by suiryutei
| 2021-12-17 09:20
| 文学・書評
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Comments(2)
おはようございます 昨夜NHK名古屋制作阿佐ヶ谷姉妹ののほほんくらし①〜③の再放送があり続いて阿佐ヶ谷アパートメント再放送、その中で早稲田精神昂揚会が登場。
早稲田とタイトルにあると関心を持つ人がいるかなと思います。阿佐ヶ谷は大学のテニスサークルの後輩が住んでいました。
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星の王子様さん、コメントありがとうございます。
タイトルに早稲田とあるから関心を持つのではなく、自分という人間が形成されていく上での体験に関わる本なのです。
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