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新人事制度 大阪での報告①~③
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昨日(28日)放送(年内最後の放送)のNHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』でドラマの中に挿入された時代劇映画の場面があって、松重豊が切られ役でちらっと出ていた。酔流亭はそれと気づかなかったのだが、連れが後で教えてくれた。 朝ドラで突然の松重豊 ネット二度見「見間違いじゃなかった」【ネタバレ】(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース 当代の人気役者がなんであんなチョイ役を!とネットで話題騒然のようだが、『カムカムエヴリバディ』の脚本を書いている藤本有紀は2007~8年放送の朝ドラ『ちりとてちん』も書いている。そのドラマで貫地谷しほりが演じたヒロインの父親役が松重豊だった。その縁なのだろう。こうなったら、『ちりとて』でヒロインの母親役だった和久井映見もいつかどこかで出してくれないだろうか。 ![]() それはさておき『伝送便』の2022年1月号(新年号)が完成した。酔流亭は記事を二つ書いたので、今日と明日、転写していきます。 ![]()
十二月二十一日の朝日新聞朝刊一面に大きく掲載されたニュースは朗報と言っていいかと思う。居酒屋チェーン[庄や]などを展開する大庄で調理師として働いていた男性が脳内出血になり後遺症が残ったことに労災が適用された。 これが朗報だというのは、労働基準監督署は当初、残業時間が月八〇時間以上などの「過労死ライン」に満たないとして労災認定を退けていた。それが二〇二一年九月に認定基準が改定され、残業時間の過労死ラインだけでなく、深夜変則勤務による身体への負荷なども考慮されるようになり、その新基準の下で判断が見直されたのだ。全国で初めてだという。
居酒屋[庄や]の板前さん
男性は六二歳。千葉県柏市のJR常磐線柏駅前にある[庄や]に二〇一五年二月に配属され、板場で包丁を握っていた。店の営業時間は午前十一時半から翌午前三時まで。三交代制の勤務で、閉店後も次の営業の準備があって、帰宅はたいてい始発電車が動いてからになった。明け方に帰って、昼過ぎに起きるような毎日。その合間には日中の勤務シフトも入った。一六年一月四日未明の勤務中、ひどい吐き気に襲われ、救急車で病院へ運ばれる。脳内出血を起こしていた。左半身に麻痺が残り、包丁を使っても左手で食材を押さえることができなくなった。 同年三月、柏労働基準監督署に労災の申請をしたが、残業時間の平均が直近二~六ヵ月では最大七五時間半で前記「過労死ライン」に達しておらず、認定されなかった。二〇二一年に労災認定の新基準となって、十二月六日付で労災が認められた。朝日記事は労働組合の動きには触れていないけれど、男性の「希望を捨てずに闘ってきてよかった」という声を紹介している。その闘いは労組が支えたはずである。詳報を知りたいところだ。
「過労死ライン」とは
これまでの労災認定基準であった「過労死ライン」とは、①直近の一ヵ月で一〇〇時間、②二~六ヵ月の平均で八〇時間を超える時間外労働が認められる場合、というものである。二〇〇一年十二月十二日付けの厚生労働省労働基準局長通達に因る。 では、この一〇〇時間だの八〇時間といった数字はどこから出てきたか。参考になるのは二〇〇五年、労働安全衛生法が改正されて月一〇〇時間を超える時間外労働には医師による面接指導が義務づけられるようになったときの議論だ。検討会の和田攻座長は、六時間以上睡眠を摂った場合は医学的には脳・心臓のリスクはないが、五時間未満だと脳・心臓疾患の増加が医学的に証明されていると説明した。月に一〇〇時間もの残業をやれば日割りにして一日五時間ないし六時間以上の睡眠はむずかしいという判断だろう。 これは相当に綱渡りの「判断」である。月一〇〇時間を週割にすれば大雑把な計算で週二〇~二五時間だ。さらに日割りしてみる。週五日勤務で一日四~五時間である。通常の八時間労働に加えて連日四~五時間も超勤をやっていて、「脳・心臓にリスクがない」六時間以上の睡眠が確保できるであろうか。通勤に要する時間、家族と向き合う時間、人付き合い等々だってあるのだ。
働き過ぎに斃れて
とはいえ、この「過労死ライン」によって、それが無かった頃よりは労災が認定されるようになった。これはプラス面であって、ここに至るまでは過労死した労働者の遺族たちと彼ら彼女らを支えた弁護士たちの長い苦しい闘いがあった。熊沢誠さんの名著『働き過ぎに斃れて』を読めば私たちはそれを確認できるだろう。 だが反面、人間的温もりの無い行政の下では、この数字の枠内にさえ収まっていれば何の問題もないとする非人間的な運用もまた横行してきたのである。数年前の「働き方改革」(じつは改悪であった)のとき立法化された時間外労働の上限一〇〇時間未満(二〇一九年施行)なんていうのもそれだ。死なせてはならないのみならず健康で文化的な生活を送れる範囲内でなければならない労働時間規制が、死んでしまった場合の数字に合わせられてしまった。
郵便局の深夜勤は
労災認定にあたってもそうで、時間外労働の八〇時間や一〇〇時間が認定を拒む壁にもなってしまった。だが、深夜労働や不規則な勤務による身体への負荷は長時間労働に劣らない。これは連続深夜勤に従事している郵便内務の労働者なら骨身に沁みて知っていることだ。 そもそも長時間労働の健康有害性の判断根拠はそれが睡眠確保を妨げることに置かれているのは、先に紹介した二〇〇五年の労働安全衛生法改正時における議論に見るとおりだが、深夜変則勤務は時間外労働をやらなくとも睡眠確保を妨げるのである。深夜勤が連続する週は、夜間の徹夜労働の間の昼の睡眠は何時間とれているだろうか。個人差があろうが睡眠が五時間続けばいいほうではないか。二〇一六年に新東京郵便局の輸送部を退職した私は、深夜勤が導入された二〇〇四年からは深夜勤務が続く週と昼間の勤務の週とが交互するシフトだった。深夜勤務の週のときは昼間熟睡できたのは三時間くらいだ。その前後うつらうつらはしていたけれど。 郵便局に限らず、深夜変則勤務の従事者の多くはいつ過労死してもおかしくない状態に置かれている。
闘ったからこそ
柏駅前の[庄や]で勤務中に倒れ、今回ようやく労災が認められた男性に戻ろう。彼は前述したように深夜変則勤務だった上に月七五時間もの時間外労働をやっていた。脳内出血のあと左半身に麻痺が残ったといえば、倒れたとき命を落としていても不思議ではない。 そんなケースでさえ当初は労災と認定されなかったのである。日本の労働行政はどうかしている。認定基準が変わって労災が認められたのはよかった。しかし、男性が「闘ってきてよかった」と述懐するように、基準が変わっても、声を上げ、闘い続けるということがなかったなら、その新基準は生かされなかったろう。 さて土曜休配→送達日数変更で郵便局における深夜勤は減らされる方向である。これはこれで深夜手当がなくされるなどの問題があるし、郵便・物流の労働現場から深夜労働がまったくなくなるわけではない。早朝出勤とか終業が夜遅くなるとかの新たな変則・不規則勤務も作られていくだろう。非人間的な働かされ方はゆるさないという声をもっと大きく上げていこう。 ![]()
by suiryutei
| 2021-12-29 08:09
| ニュース・評論
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