新人事制度 大阪での報告①~③
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昨夜は中野重治『むらぎも』についての読書会に参加した。 帰宅はだいぶ遅くなった。連れ合いを起こさないよう、物音しずかに、台所で一升瓶から湯呑に酒を注ぐ。いわゆる<盗み酒>というやつである。盗むというと人聞きが悪いが、なにか品物を盗むというのではなくて、同居人の目を盗むという程度のことである。 こうして飲む夜更けの酒が美味いのだ。 去年秋に病気をしてから、これを控えていた。そもそも夜が遅くならないようにしていた。 池波正太郎『鬼平犯科帳』に、主人公・長谷川平蔵がこの盗み酒をやる場面がある。火付け盗賊改め長官として天下に恐れられた〝鬼の平蔵”が、それを奥方に見つかって小さくなる。酔流亭は昨夜は見つからなかったと思うが。 それから若山牧水のこんな短歌も思い出す。 妻が眼を盗みて飲める酒なればあわて飲みむせ鼻ゆこぼしつ 足音を忍ばせて行けば台所に我が酒の瓶は立ちて待ちおる 昨夜飲んだ酒は加賀の銘酒〔萬歳楽〕。昨日の更新記事で石川淳にちょっと触れた。石川淳が晩年、丸谷才一を道連れに加賀を旅したとき道案内をしたのは〔萬歳楽〕蔵元のあるじであった。石川の生前最後の随筆集となった『夷斎風雅』収録の一編「金澤」にそのときのことが書かれている。 地元の東道主人は萬歳楽の小堀甚九郎さんである。旅のあひだ、金澤から鶴来の町にかけて、小堀氏のかもす名酒白山は絶えず音楽のやうに流れた。 <名酒白山>とは萬歳楽のなかでもとくに上等な酒だ。我が家で飲んでいるのは、もっと普通のやつだが。 なお昨日の更新記事で触れた石川淳の『敗荷落日』について12年前に書いた過去記事が出てきたので、先ほど昨日の記事に追記した。ここにも貼り付けておきます。 萬歳楽の蔵元は白山神社の門前町にある。 ![]()
by suiryutei
| 2022-01-13 09:15
| 酒・蕎麦・食関係
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Comments(2)
![]()
質疑応答の場面で、「なぜ『むらぎも』をここで対象にしているのか」
という発言がありました、 それが一番印象にのこりました。 「なぜ『むらぎも』をここで対象にしているのか」は、 回答が出るか出ないかとは別に、参加者それぞれが考えるべきものでしょう。 報告者が、誠意をもってきちんと報告しようとこころみるほど、 しかも、けっして福本イズムに惹かれていないのにもかかわらず、 福本の「解説」になってしまう問題も、魔力と言えます。 報告者が、1925年を2005年と思わず誤ってしまうなど、古くて新しい問題なのかもしれません。 近代的個人が未確立、市民革命の不徹底性が、福本主義のような観念性をもたらしたのだと理解してきたつもりですが、 そればかりではなく、 福本主義の観念性を批判する側が、はたしてどうなのか充分に問われてこなかった気がします。 今回の4章~6章は、昨日私が申し上げた、学連事件の無産者新聞の主張に対する、安吉の違和感、その執着、違和感の持続性、未形成性だけでなく、 これから安吉が争議支援に向かう、労学連帯の問題は、私のときも学生運動に問われた問題ですから自分の経験を思い出しながら読んだところです。 作品にプロレタリア性がどこにあるのかという話が前回もあった記憶がありますが、 安吉は、労働者ではなく、現役の学生ですから、学生がいかにプロレタリアと連帯するのかという問題であって、 安吉がプロレタリアにどこで連帯するのか、学生の立場で独自に解明すべき問題です。 学生運動の階級性の問題です。 そういうことを考えるべき場面であるという気がします。 そういう意味で、無産者新聞における主張にたいする安吉の違和感、その執着の持続性は、大きな意味があり、 その後の争議への連帯の中身につながっていくのだと思います。
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墨田のカッパさん、コメントありがとうございます。
<福本主義の観念性を批判する側が、はたしてどうなのか充分に問われてこなかった> というのは、きっとそうではないかと思います。 次回以降につながるご指摘ですね。いよいよ真剣に読み込んで次回に備えます。
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