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昨日の午後NHKBSで視た西部劇『星のない男』(キング・ヴィター監督、1955年)は、冒頭と最後に流れる主題曲をフランキー・レイン(あの『ローハイド』の主題曲、ローレンローレンローレン~♪を唄っていた人です)が軽快に歌ったことといい、カーク・ダグラス演じる主人公のカウボーイが矢鱈かっこよかったことといい、典型的な古き良き西部劇だった。面白かったのは共有地の問題が扱われていたことだ。 二つの牧場があるのだが、その間にはどちらの所有でもない牧草地があって、私有地の中だけでは牛に食わせる草が足りなくなる冬場には両方の牧場がその共有地に牛を入れる。だから、牛が牧草を食い尽くして荒地にしてしまわないよう、お互いが牛の数をむやみに増やさないようやってきた。ところが片方の牧場主が代替わりして、東部から新たにやってきた所有者(女性である)は、合州国における資本主義先進地帯・東部出らしく儲け第一・効率主義に徹し、そんな共有(コモン)の作法なんぞお構いなく牛を増やそうとする。 もう一方の牧場は、それでは共有地の牧草が根絶やしになってしまうと危機感を持ち、鉄条網で共有地を囲い込もうとする。こうして争いが起きて、そこにならず者が絡んでくる。 ストーリーはかなり違うけれど、一昨年やはりNHKBSで視た『大いなる西部』(ウィリアム・ワイラー監督、1959年)を思い出した。あの映画の隠れた主題も<コモン>であったと、映画を視たあと酔流亭はあちこちで吹聴したものだ。 今週はBSのあの時間帯で、他にも月曜に『リトル・ダンサー』(スティーブン・ダルトリー監督、2000年)、火曜は『武器よさらば』(チャールズ・ヴィター監督、1957年)を視てしまった。 『リトル・ダンサー』の舞台は1984~5年のイギリスの炭鉱町である。主人公の少年の父と兄は炭鉱夫だ。そして炭鉱はストライキの真っ最中。この炭鉱労働者のストライキが当時のサッチャー保守党政権に果敢に挑みながらも叩き潰されてしまって以降、イギリスの労働者階級は苦難の道を歩んで今日にいたる。近年ケン・ローチが『わたしは、ダニエル・ブレイク』(2016年)や『家族を想うとき』(2019年)に描いたような。 『家族を想うとき』では、あの家族の母親で訪問介護の仕事をしているアビーに、家事の世話を受ける老女が炭鉱ストの思い出を語る場面があった。イギリス労働者階級の今日の窮状にとって大きな曲がり路となったのがあのストの敗北であったこと、しかし状況を打開する道はやはり労働者が団結を再構築していくこと以外にはないことを、ケン・ローチはあの場面にほのめかしたのだろう。 有名な文学作品を大作映画に仕上げると大抵は失敗する。『武器よさらば』も、そのクチである。ただ、舞台は第一次世界大戦のヨーロッパ。もしかしたら第三次世界大戦になりかねない現在だけに映画に漂うペシミスティックな雰囲気に妙に感じ入るものもあった。ヴィットリオ・デ・シーカがこの映画には俳優として出演していて、イタリア軍の軍医を演じていたが、監督としてのこの人には『ひまわり』(1970年)という作品もあったな。第二次大戦のときのウクライナが出てくるから、いま何かと言及される映画だ。 (主演は二枚目ロック・ハドソンとジョニファー・ジョーンズ。右下のチョビ髭がデ・シーカです) ヘミングウェイの原作を、酔流亭は高校生のときペーパーバックの英文で読みかけてみたことがある。英語の教師が授業とは別に読んでみないかと声をかけたのに応じた生徒の一人であった。ただし、書き出しはなんとなく覚えているけれど、ストーリーがどう転がっていったのか記憶にないから、早々に脱落したのだろう。あの頃は小説を読むより映画を観るほうがずっと好きだった。前出『ひまわり』もそのころ新宿の映画館で観た。 それにしても、映画館に出かけていかなくてもいいTV鑑賞とはいえ、週3本はちょっと視過ぎだ。来週は少し忙しくなるから映画を視るのも禁欲します。
by suiryutei
| 2022-05-14 06:30
| 映画・TV
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