新人事制度 大阪での報告①~③
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梅雨という季節は嫌だ。じめじめして、かび臭い。 しかし、この季節に咲く紫陽花(あじさい)は好きな花である。 数日前、通りがかりに撮影した。 文京区湯島の、春日通りと不忍通りとが交差するあたりの裏通りに〔鳥栄〕という鳥鍋屋がある。その入り口わきに咲いていた。この〔鳥栄〕というのは、なかなか敷居が高そうな店であって、この日もそうだし酔流亭はいつも前を通り過ぎるだけだ。いま初めてインターネットで調べてみたら、じじつ予約がなかなか取れないそうだし、値段も安くない。 ![]() 中野重治の小説『むらぎも』を去年秋から今年春にかけて熟読した。この自伝的長編の中に、岩崎の屋敷の近くにある、旨い酒を飲ませる店というのが登場する。中野の分身であろう主人公・片口安吉がそこで飲む場面がじかに出てくるのではない。あの店は旨い酒を出すなあ・・といった心の中のつぶやきのような形で何度か言及されるのだ。 今は庭園となっている岩崎邸はすぐ近くだから、『むらぎも』に出てくるその店はこの辺にあったはずだ。 しかし、〔鳥栄〕のことではないだろう。老舗なので『むらぎも』の時代(関東大震災後の数年間)にすでにあったが、片口安吉はまだ帝大の学生だ。学生が行くような店では当時だってなかったろう。それに、もし〔鳥栄〕だったら、中野は鳥鍋の店と書いたろうに、小説の中のその店はどうも居酒屋といった趣なのだ。 ![]() すると、あのあたりで、『むらぎも』の時代にすでにあった居酒屋というと、春日通りを渡った向かいに〔シンスケ〕がある。ここで出す両関は秋田の酒で、〔シンスケ〕ではそのいいのを出す。もともと酒屋として創業したのが大震災の後ほどなく居酒屋になったというから、時代も合う。 では、ここ? いや、違うな。〔シンスケ〕だったら中野は、その場所を岩崎の近くと書くより、湯島の天神下と表記したろう。 結局わからないね。戦後は廃業して、もう無い、と考えるのが一番自然だろうか。 酒飲みって、こんなどうでもいいことをいつも考えているんですよ。 ところで〔シンスケ〕をネットで検索したら、女優・尾野真千子さんがこの店を訪ねるという記事が出てきた。上です。2011~12年に放送されたNHK朝ドラ『カーネーション』における彼女の見事な飲みっぷりを思い出す。あのドラマで尾野真千子さん演じたヒロイン小原糸子が飲んでいたのは大阪は岸和田市の蔵元〔蛸酒造〕の清酒である。〔蛸酒造〕とはNHK大阪が作り出した架空の造り酒屋であって、NHK大阪が制作を担当する朝ドラではその後も何度か登場している。 上は『わろてんか』(2017年)の場面であろうか。『カーネーション』がまだ放送中に『伝送便』に書いた記事(2012年2月号掲載)を下に貼り付けます。
by suiryutei
| 2022-06-12 07:59
| 身辺雑記・自然
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Comments(4)
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おはようございます 我が家も近所も紫陽花咲いています。昨夕から我が家で昼顔が咲いています。今日は最高気温が30度予報。関東は連日涼しくなるようですね。
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多分鳥栄だと思います。
昔は学生が出入りできる店がいつのまにか、庶民の手の届かない店に成り上がった例は多いです。 本郷のすき焼き「江知勝」、両国の軍鶏鍋「ぼうず」、、。 ぼうずは落語では船頭たちが飲んで騒ぐ店として出てきます。
佐平次さん、コメントありがとうございます。
そうですか! さすがあのあたりにお詳しいですね。 「千住葱」と書かれた段ボール箱を積んだ自転車が店の裏に停まっているのを見たことがあって、やっぱり材料を吟味しているなと思いました。 江知勝は最近無くなってしまいましたね。
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