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昨日の更新記事に「オールド左翼」なんて言葉を混ぜたからこの話題にするというわけではないのですが・・・。 先月初め、梅雨入りする前に友人が貸してくれた本だ。 友人とは約一月後にまた会うことになるから、ちょうど梅雨の間、雨に降りこめられて家に籠る日にゆっくり読むつもりであった。晴耕雨読というではないか。もっとも農民ではない酔流亭には、晴れたとて耕す土地なんか無いけれど。 ところが、今年はまったくの空梅雨、しかも6月のうちに明けてしまった。どれだけ読みこなすことができたか覚束ないまま、一月がたち、つい昨日、友人に本を返した。・・・こう書くと、自分の怠惰と不勉強を空梅雨のせいにするみたいですが。 著者アルトゥーア・ローゼンベルクは1889年ベルリンで生まれ、1920年に結成されたドイツ共産党の創建のときからの指導的メンバーであった。国会議員になり、25年にはコミンテルン執行委員会の正委員にも選出される。ところが路線上の理由から27年には共産党を離党。33年にナチスがドイツの政権をとったときイギリスに亡命する。38年にはアメリカに渡って43年に亡くなった。 その経歴からも窺い知られるように、著者が立つのは共産主義運動の内部批判者という位置だ。この本が出版されたのは1932年だから、トロッキーなどはソ連共産党からは追われたけれどもまだ健在だ。いま詳しく述べる力が酔流亭にはないけれども、このトロッキーやレーニン、それにスターリンへの著者の評価は同時代の人間からのものとしてかなり的確であるように思う。 1932年といえばファシズム前夜。まだ後の話になるが、反ファシズム人民戦線政府の構想は、ロシアの1905年の革命のときレーニンが展望した労働者と農民による革命的民主主義独裁を下敷きとしつつ、ことなる状況下でそれを発展させようとしたものではなかろうか・・・というようなことも考える。人民戦線政府の成立はフランスが1935年、スペインは36年だから、もちろん1932年執筆の本書にそのことの論及はない。むしろ社会民主主義に憎しみをぶつける「社会ファシズム論」「社民主要打撃論」が大手を振るっていた時代である。それだけに、読み手にそういうことを考えさせる著作は光るのだ。 色々な意味で興味の尽きない本であった。できればずっと手元に置いておきたい本だ。それに、梅雨が戻ってきたような天気に今週はなっているし。・・・今さら遅い。
by suiryutei
| 2022-07-14 08:02
| 文学・書評
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