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先週の木曜日午後にNHKBSで放映された『フィールド・オブ・ドリームス』(フィル・アルデン・ロビンソン監督)を酔流亭は日本で劇場公開された1990年に観ている。 そのとき酔流亭は35歳。ケビン・コスナーが演じた主人公は36歳だから、ほぼ同じ世代である。映画では主人公は1952年生まれ、1988年のアメリカ合州国アイオワ州で農業をやっている。あるとき、どこからともなく不思議な声が聴こえ、その声に導かれてトウモロコシ畑をつぶし、そこに野球場を作る。 そんなことをしたら、自営農家の経営は、もちろん危ういことになってしまう。つぶしたトウモロコシ畑の収穫はなくなるわけだから。ところが、その手作りの野球場には、スパイクを脱いでプレーしたことがあったことからシューレス・ジョーとあだ名されたジョー・ジャクソン(1887-1951)をはじめ往年の名選手たちが現れるようになる。カッコに表記したジョーの生没年をご覧あれ。選手たちはすでにこの世の人ではなく、ゴーストである。 つまり、この映画は現代の(といっても、もう30年以上前の作品だが)おとぎ話である。おとぎ話のあらすじを要領よく述べたり、感想を書くのはなかなかにむずかしいのだが、夢や志を持ち続けるといったようなことを、32年前に映画館で観たときも、先週TV放映を視たときも、酔流亭は思った。 印象に残った場面の一つは、主人公一家(連れ合いとの間に可愛らしい少女がいる3人家族)が暮らす農村地帯で何か住民集会が開かれているところだ。 いかにも保守的な女性がテレンス・マンという作家の本をふりかざして、「こんな淫らな本は読むのを禁止すべきです。図書館に置いておくなんて、とんでもない」と弾劾演説をぶつ。その架空の作家テレンス・マンとは、サリンジャーがモデルだという。すると、「淫らな本」とは『ライ麦畑でつかまえて』に他ならない。 主人公の連れ合い(エイミー・マディガン演)は黙っていられなくなって、立ち上がる。自分が青春を過ごした60年代の時代の空気を語り、サリンジャーじゃなかったテレンス・マンを擁護して焚書のたくらみを粉砕する。主人公夫婦は60年代に公民権運動やベトナム反戦運動をくぐってきた、リベラルな気風の持ち主であることが窺われた。 そのサリンジャーがモデルのテレンス・マンも映画の後半から登場し、ジェームス・アール・ジョーンズが演じた。 『ライ麦畑でつかまえて』は、酔流亭は映画を観てもすぐには読んだ記憶がない。だが、その10年後の2000年、右足のヒザを割ってしまって10日間ほど外科病院に入院したとき、病院のロビーの書架にこの小説があったので手にとった。「淫ら」どころか、みずみずしい作品である。もっとも主人公の率直な言動が問題視されてカリフォルニア州で学校図書館から追放された時期が1950年代にあったそうだ。 村上春樹による新訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』が出たのは2003年。酔流亭はそれ以前の旧訳で読んだ。 (上の写真は7月29日に高麗神社で撮影。季節と場所からして、むくげの花でしょう)
by suiryutei
| 2022-08-01 05:51
| 映画・TV
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