晩酌の流儀

栗山千明という女優さんは、2011-12年のNHK朝ドラ『カーネーション』において、尾野真千子が演じたヒロインの幼馴染の役で酔流亭には印象に残っている。

あのドラマは服飾家小篠綾子をモデルとしたもの。尾野真千子のヒロインは商売が傾きかけた呉服屋の娘だから貧乏育ちの一方、栗山千明のほうは料亭の娘なので裕福に育った。岸和田を舞台に物語が展開するので登場人物たちの言葉は荒い。二人も顔を合わせれば「このブタ！」「アホ！」と罵り合いながら成長していくのだが、お互い相手のことを心の中では気にかけている。

TVドラマ『カーネーション』を推す　～『伝送便』誌今月号記事 : 酔流亭日乗 (exblog.jp)

あのドラマの放送から、はや10年がたった。二人の女優さんはそれぞれに活躍しているようだ。尾野真千子の去年の主演映画『茜色に焼かれる』は作品も彼女の演技も素晴らしかった。

栗山千明のほうでは、いま主演しているTV『晩酌の流儀』が面白い。TV東京で土曜の0時52分～1時23分放送・・これは土曜というより金曜の深夜放送と言ったほうがいいですね。

彼女の役は不動産屋に勤める独身女性である。仕事を終えたあとの晩酌の一杯を生きがいにしている。ただし、外飲みではなく、帰宅して自分で肴をつくる。番組のスポンサーにサントリーが入っているので、飲むのは同社の金麦と決まっている。

金麦って、そんなにうまいかよ、と茶々を入れるのは野暮である。彼女の飲みっぷり、食べっぷりがじつにいいのだ。本当に美味しそうに飲み、食べる。

同じ放送局の人気番組である『孤独のグルメ』の家飲み版であると思えばいい。違うのは、『孤独のグルメ』の松重豊は街で食べもの屋（実在する店である）にふらりと入るという設定であること、下戸で酒は口にしないことである。『晩酌の流儀』の栗山千明は酒（前述したように金麦だけれど）をうまく飲むために自分で食材を買って調理する。

7月2日から始まったこの番組は、残念ながら今度の20日放送（19日深夜）の第8話が最終回である。これまでの放送を我が家ではぜんぶ録画してあるが。

来年きっとシーズン2が作られるだろう。

今夜の我が家の晩酌は武甲正宗できめます。その名のとおり秩父の地酒で、先日友人から頂いた〔埼玉の酒プレミアム5〕のうちの一本です。

埼玉の地酒プレミアム5 : 酔流亭日乗 (exblog.jp)