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もう二か月も前になる。朝日新聞の8月12日朝刊【オピニオン】欄に掲載された豊永郁子さん(政治学者)の論考は、ウクライナの戦争による人命の損失に執筆者が心を痛めていることに酔流亭は共感しながらも、何かひっかかるものがあった。 その「ひっかかるもの」について書かなければならないのだが、まだモヤモヤしたままである。今日は踏み込まずにおこう。 論考の終わりのほうで、パリ占領のドイツ軍司令官がヒトラーのパリ破壊命令に従わなかったエピソードが言及される。 昨日の午後NHKBSで放映された『パリは燃えているか』(ルネ・クレマン監督、1966年、仏米合作)にはそのエピソードが描かれていた。 しかし、それよりも酔流亭に興味深かったのは、レジスタンス内部の模様。ドゴール派とコミュニスト派とが、反目しつつも反ナチでは協力する。レジスタンスはパリ市内でいったん武装蜂起してからドイツ占領軍と短い「停戦」をするのだが、レジスタンスを代表してドイツの将軍(最後はヒトラーのパリ破壊命令に従わなかった、その人)と交渉するのはドゴール派のリーダー。「(お前たちの中に)コミュニストがいるだろう」と詰問されて「共産党員も反共主義者もいる。共通の敵に対しては力を合わせる」と言い返したのは立派であった。 当時すでに若手スターとして人気を二分していたであろうアラン・ドロンとジャン・ポール・ベルモンドがドゴール派の活動家に扮していた。イヴ・モンタンがパリに進軍する戦車兵に、実生活でモンタンの伴侶だったシモーヌ・シニョレは道沿いのカフェの女主人役でちらりと出ている。米軍のパットン将軍はカーク・ダグラスである。そうそう、オーソン・ウエルズがスウエーデン領事として、拘留されたレジスタンスの中に旧知の人がいるのを釈放させようと奔走するうち「停戦」の仲介役になっている。なんとも豪華な配役ですね。 物理学者ジュリオ・キュリーがレジスタンスに火炎瓶の作り方を指導する場面があった。なにしろフランスだから火炎瓶だってワインの瓶で作る。年代物のワインを惜しげもなく流し捨て、空になった瓶に投げつければ発火する液体を詰めていく。 映画では明示していないが、ジュリオ・キュリーはフランス共産党員であった。 ドゴール派とコミュニストが呉越同舟して、フランスはやっぱり人民戦線の国である。
by suiryutei
| 2022-10-14 09:30
| 映画・TV
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Comments(2)
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豊永郁子の寄稿は、この時代風潮のなかで、地に足をつけて個人の「犠牲を問わない戦争」が間違っていることを指摘していることで、とても共感できました。ヨーロッパでも各地域で「和平派」が多数であることを強調していますね。
酔流亭さんが、豊永の「何かひっかるもの」という「何か」とは、どこの部分か想像してみました。 この文章は、きれいに四つの章に分けられます。その「何か」とは、二つ目の章の冒頭部分ではないでしょうか。 豊永が、「多くの日本人」の「平和主義の核心」、「立場」を「わかった」と述べた部分ではないでしょうか。 ここは、寄稿文の字数制限の関係からなのか、説明、根拠が薄弱です。 まずは豊永が考えている「多くの日本人」の「平和主義」の「核心」「立場」がどうなのか、それと自分はどう異なるのか、説明すべきなのです。 私には、なにか、単純に図式的に、「平和主義者」なるものが切って捨てられるように感じて釈然としませんでした。そんな単純なものではないですよ。いかに屈辱的に弱い者であっても、戦時期に抵抗運動が存在したこと、戦後においてもそれを継承しようとしたこと、これらがすっぽり抜け落ちていますね。
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墨田のカッパさん、コメントありがとうございます。
とても重要な点です。抵抗運動がすっぽり抜け落ちている、そこなのです。 モヤミャしているところの核心です。ありがとうございます。 いま三河島の統一マダンから酔って帰宅したばかり。後日、酔いが醒めた頭でまた考えてみたいことです。
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