新人事制度 大阪での報告①~③
最新の記事
タグ
労働(124)
辺野古(46) 郵便局(43) 文学(31) コロナウイルス(31) 韓国(19) 朝鮮半島(12) 映画(11) NHK朝ドラ(10) ひよっこ(9) 大西巨人(9) なつぞら(8) 神田まつや(8) 労働者文学(8) 神聖喜劇(7) 関西生コン労組(6) 狭山事件(6) ブレイディみかこ(6) ケン・ローチ(6) 蕪水亭(6) 最新のコメント
記事ランキング
カテゴリ
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 more... ブログジャンル
画像一覧
検索
|
『伝送便』の誌面でいちばん人気があるのは、同誌の読者紹介コーナーである<おじゃまします>だ。最後より1ページ前と決まっている。仲間はどんな人たちなのか、やはり関心がありますよね。今月号に登場していただいたのは繭山惣吉さん。彼と初めて会ったのは1973年なので、酔流亭には約半世紀来の友人だ。先月初旬、『伝送便』前編集長の池田実さんと彼と3人で飛騨へ旅したとき、ついでに取材もした。顔写真は飛騨古川の旅館〔蕪水亭〕で朝食を摂っているときに撮影したものです。 今回登場の繭山惣吉さんは郵便局の関係者ではない。一九七八年から三十五年間、都立高校で数学を教えてきた。しかし、本誌編集委員の久保茂や土田宏樹とは、教員になる前からの知り合いだ。その縁もあって『伝送便』の誌面をずっと見守ってくれている。 一九五四年一月、東京生まれ。在学していた麻布高校で学園闘争が起きたのは一九七〇年前後だった。麻布は有名な進学校だが、自由な校風でも知られてきた。ところが当時、校長代行に就任した山内一郎氏が強権的な支配を振るいだす。教師が労働組合を結成し団交を求めても拒否。生徒の政治活動は認めない。生徒会の活動も一時凍結・・・。 生徒も父兄も教員も反撃に立ち上がる。対して一九七一年の秋には文化祭で話し合いを求めて中庭を埋めた生徒たちの座り込みに機動隊が導入された。繭山さんはそのときの嫌疑で事後逮捕され少年鑑別所暮らしも経験する。麻布の闘争は、最終的には山内氏が退陣、彼が繰り出していた施策は撤回され、生徒たちが全面的に勝利した。高校の学園闘争としては全国でも珍しいケースである。 教員になってからも、繭山さんの闘う姿勢は変わらない。東京都高等学校教職員組合(都高教)では支部長などを務め、ストライキを何度も指導してきた。四・二八処分直後は東京郵政局前のデモにも参加。高校での学園闘争、鑑別所送り、それに労働運動といえば、本誌の池田実・前編集長と共通点が多い。実際、一昨年の二月一一日に都内で開かれたシンポジウム〔高校紛争から半世紀~私たちは何を残したのか、未来への継承〕に二人は登壇して若い世代の前で自分たちの体験を語っている。 とはいえ、池田さんもそうだが繭山さんもいわゆる猛者的な雰囲気の闘士ではない。酒を飲めば相手の話を穏やかに受け止めながら、ゆっくりと盃をかさねていく。 退職金で買ったキャンピングカーに乗って全国を旅するのが今の愉しみだ。流しや冷蔵庫はもちろん電子レンジも置かれている。道の駅などに車を停め、土地の温泉に浸かり、地元の食材で料理をつくる。車内で一杯飲み、そのまま寝る。賃労働をリタイアした後の人生として一つの理想形だろう。付き合いのある労組の会合に出張して料理一切を引き受けもした。池田実さんの前著『福島原発作業員の記』が出版されたときは、都内で本誌編集部が開催した<出版を祝う会>の料理は、三〇数人分を繭山さんが全て作ってくれた。おかげで会費を安くおさえて美味いものを食べることができたのである。 池田さんの新著『郵政労使に問う』へも「素晴らしい」と称賛を惜しまない。これからも『伝送便』の心強い助っ人でいてくれるだろう。
by suiryutei
| 2022-12-04 08:11
| ニュース・評論
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||