新人事制度 大阪での報告①~③
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『伝送便』今月号に寄稿したものです。 ユナイテッド航空の不当解雇への抗議行動が成田空港で続いているのは本誌七月号で報告した。千葉県在住の郵政シルバーユニオン組合員も毎月参加している。一〇月の抗議行動におけるリレートークでの発言を紹介したい。 一昨日NHKBSで『スパルタクス』という映画が放映されました。一九六〇年の映画だから六〇年以上前の作品です。 スパルタクスというのは紀元前ローマ帝国で実際に起きた奴隷反乱の指導者の名前です。映画ではカーク・ダグラスが演じました。彼はこの映画の制作者でもある。脚本を書いたのはダルトン・トランボで、この人は第二次大戦後アメリカで吹き荒れた「赤狩り」で一番狙われた人です。こいつはアメリカ共産党員だろうと言われて刑務所に入れられた。それでも転向しなかった人です。 脚本家として素晴らしい力があって、『ローマの休日』、あのオードリー・ヘプバーンが某国の王女に扮した作品ですが、これでアカデミー賞の最優秀脚本賞を獲りました。 さてスパルタカスの乱は結局ローマ帝国の正規軍と戦って敗れてしまいます。史実というか歴史書の記述ではスパルタクスも戦場で討ち死にしたらしい。ところが、この映画ではスパルタクスは戦場では死なず、ローマ軍の捕虜になります。ただ、ローマ軍も大勢いる捕虜のうち誰がスパルタカスなのかわからない。そこでローマ軍の司令官は捕虜にした奴隷たちに向かって 「この中にスパルタクスがいるはずだ。それを教えた者は命を助けるぞ」 と言うのです。 ところが、誰もスパルタクスを指さす者はいない。それどころか(本人ではない)一人が「スパルタクスは俺だ!」と立ち上がると、捕虜の奴隷たちは次々に立ち上がって「俺がスパルタクスだ!」と言い出すのです。 それは感動的な場面でした。脚本を書いたダルトン・トランボがスパルタクスは戦場で死んだとされる通説に逆らってローマ軍の捕虜になったとしたのは、この場面を作りたかったからではないでしょうか。生殺与奪の権を持つ権力者といえども人の心を自分の好きにすることはできない。助命の誘いや死の恐怖よりも強い人と人とのつながりというものはある。そのことをこの場面を通じて訴えたかったのではないか。 捕虜となった奴隷たちは全員が磔にされます。歴史書の記述においても街道に沿って五千人とも六千人とも言われる奴隷たちが磔台で息絶えたそうです。映画ではスパルタクスもそのように処刑されます。ハリウッド映画にしては非常に厳しい結末です。 しかし、私は感動しました。紀元前においては奴隷たちは勝利することができなかった。でも、現在は働く者の力は当時よりずっと強くなっています。そして権力者が思い通りには人の心を操ることができないのは昔も今も変わりありません。郵政では四・二八勝利の例もあります。この解雇撤回の闘いに勝ちましょう。 ページのスパルタクスの似顔絵は、高校で世界史を習った綿引弘先生の著書『世界史の散歩路』(1989年刊、聖文社)掲載のコラム〔人物を読む〕(39ページ)から拝借した。また、下の写真は映画『スパルタクス』(1960年)においてカーク・ダグラスが演じたスパルタクスだ。
by suiryutei
| 2022-12-05 08:01
| ニュース・評論
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