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同人雑誌【阿修羅】の特別号が一昨日とどいた。ありがとうございます。 ![]() 【阿修羅】は東京の西部で1980年7月に創刊され、69号を数えて2020年10月に終刊。しかし、その後も〔阿修羅社通信〕というB5判24頁の冊子が毎月(ときには月に2度)界員と呼ばれる同人に送られてきていた。同人雑誌としての終刊間際に界員に加えていただいた酔流亭はそれを毎号たのしみにしていた。 ![]() ところが、それを主宰してきた松本慶之さんが今年8月、まだ75歳の若さで急逝してしまわれた。今回つくられた特別号は、松本さんを偲んで、かつての同人雑誌の装丁で復活している。酔流亭も寄稿したので、転写します。 ![]() ![]() じかにお会いしたかった 二〇二一年一月発行の【阿修羅通信】第4号に書かれた『二〇二〇の忘れ物』という文章の中で、松本さんは『人新世の「資本論」』(斉藤幸平著、講談社新書)を好意的に紹介されている。それを読んだ私は、前年(二〇年)暮れに出たばかりの雑誌『労働者文学』第八八号を松本さんに郵送した。というのは、『人新世の「資本論」』について書評めいた文章を、たつた一ページ、一二〇〇字弱の短いものだが私はそこに書いていたからだ。ついでに、他のミニコミ誌に書いた文章もいくつか同封した。 齋藤幸平『人新世の「資本論」』書評 ~『労働者文学』掲載 : 酔流亭日乗 (exblog.jp) すると、【阿修羅通信】の続く第五号掲載『闘いはこれから』という文章で松本さんは私に応答してくださった。それは、ありがちな儀礼的返信ではなかった。「心の共鳴音が伝われば」と松本さんが前置きされたように、しんじつ心のこもったものである。直前、牧子嘉丸さんが『労働者文学』のバックナンバーを何冊か松本さんに贈っていたという。それらにも私が書いた文章が載っており、松本さんは私の拙い文章あわせて八編を丁寧に読み込まれた上で感想を述べてくださった。 ![]() その感想が、どの文章についても書き手(私)がいちばん言いたかったことを正確に受け止めたものである。たとえば、そのころ大きな評判を呼んでいた映画『家族を想うとき』(ケン・ローチ監督)について。宅配労働と介護労働にそれぞれ従事する夫婦に一六歳の息子と一二歳の娘という家族の物語である。長男セブが街の広告塔にペンキを塗りたくる“非行”に私は注目した。 「儲けが期待できるなら、すでに需要が飽和状態であっても無理にでも需要が創り出される。資本が投じられ、利潤が生みだされる。資本主義経済のそのサイクルの中で重要な役割を担う一つは広告である。じつは聡明なセブは、街に氾濫する広告にそんな胡散臭さを直感したのではなかろうか」。 松本さんはこれを「その指摘は『人新世の「資本論」』にも通ずるもの」と承けてくださった。その『人新世の「資本論」』に対しては、粗や若書きなところをつつくより、新進の著者のいいところを伸ばしてやろうというとらえ方であったように思う。教育者であった松本さんは、これまでそうやって人を育ててきたにちがいない。 『家族を想うとき』と「かんぽ不正」~【A・Z通信】掲載 : 酔流亭日乗 (exblog.jp) 私は、阿修羅社とは繋がりができてまだ日が浅い。同人雑誌【阿修羅】の終刊号に『歴史の偽造と凝視と』という文章を載せていただいたのが最初である。界員の皆さんとも、直接顔を合わせたことがあるのは高校の恩師である綿引弘先生と労働者文学会でご一緒した牧子嘉丸さんとのお二人だけだ。 『歴史の偽造と凝視と』は綿引先生の世界史の授業の想い出を書いたものであり、同作が同人雑誌【阿修羅】終刊号に掲載されるには牧子さんが骨を折ってくださった。いつかコロナ禍が収まったら松本さんとお会いできるだろう、そのときは労働組合運動での貴重な体験なども伺えるかと楽しみにしていたのに、残念でならない。 ![]() ※同人雑誌【阿修羅】終刊号への酔流亭の寄稿『歴史の偽造と凝視と』は、〔A・Z通信〕第36号掲載『安倍「所信表明」そのほか』』を改題したものです。 安倍「所信表明」そのほか ~【A・Z通信】第36号掲載 : 酔流亭日乗 (exblog.jp)
by suiryutei
| 2022-12-22 09:28
| 文学・書評
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Comments(2)
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こんにちは。その後いかがですか。
阿修羅の御作、唯一会えなかったひとの追悼でしたが心にしみました。労文で知り合い、それがきっかけで綿引先生と旧交を温め、あとは三人の縁を結んでくれた主催の松本さんと会うだけというときに残念なことでした。 土田さんもくれぐれも体に気をつけてくださいね。健康管理も敵より一日でも長生きするための大切な階級闘争です。 侵略戦争に加担する軍拡路線反対のためにも大いにがんばってもらわねばなりません。もちろん、私もやりますよ! 昨日、HOWSに行ってきました。ラフカデイオ・ハーンの怪談をやっています。来月、入院とか。病室でじっくりハーンの著作を読むのもいいのでは。日本人とは、日本の文化・伝統とは何か考えさせられます。 では、また。正月は禁酒でお願いしますね!? 私は飲みますが。では来春にでも、回復を祝して一献を。
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牧子さん、コメントありがとうございます。
〔阿修羅〕特別号への牧子さんの寄稿、結びの「もう何を書いても、あなたに読んでもらえないことが、ただただ寂しくて残念です」が胸に迫ります。 正月は酒を我慢しますから、私が快復したら是非とも一献!
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