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年が明けると、Kさんが亡くなられて3年たつ。Kさんは1930年生まれだから、亡くなったとき90歳である。その晩年、Kさんから酔流亭は本をたくさん戴いた。三浦綾子の小説『銃口』もそのひとつだ(小学館文庫で上下二冊)。 戴いたのは、もう6~7年前だろうか。本棚に並べて<積んどく>状態だったそれをようやく読んだ。そうして、もっと早く読んでおけばよかったと思った。 主人公の北森竜太は1937年、北海道の空知郡で22歳のとき小学校の教師になっているから、生まれたのは1915年である。酔流亭の父は1916年、母は17年生まれなので、わが父母と竜太は同じ時代を生きたのである。 その竜太は、教師になって4年目の1941年、北海道綴り方連盟事件に巻き込まれる。綴り方教育に熱心な教師たちが<赤化>しているとレッテルを貼られて弾圧された事件だ。竜太は八か月も勾留され、教壇から追放される。釈放されてじき、召集令状が来て満州へ。 あらすじは下に貼り付けたサイトを見ていただけたら。『銃口』が前進座で上演されたときの口上のようだ。 竜太が人との出会いに恵まれていることに、小説のリアリティとしては欠ける気がいくらかしないでもない。が、そのわずかな瑕瑾は、読んで得られる深い感慨を妨げるものではない。
by suiryutei
| 2022-12-26 09:03
| 文学・書評
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