新人事制度 大阪での報告①~③
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高校のとき世界史を習った綿引弘先生のことは何度か書いてきた。たとえば 先生からのつい最近のメールに添付されている文章に強く同感した。いま岸田政権が進めようとしているのと真逆の方向が、明るい展望をもって語られている。 先生からお許しをいただけたので、全文をここに転写します。 今こそ憲法9条を全世界に! ー人類の未来のためにー 綿引 弘 ウクライナ戦争の惨状 戦争の歴史を振り返ってみたとき「戦争は始めやすく、終え難し」である。2022年2月に始まったウクライナ戦争も例外ではなくエスカレートするばかりである。 私は以前に書いた「ウクライナ戦争に思うこと」でロシアの侵攻に至る前史を書いた。その中でロシアが侵攻に及んだ経緯(マイダン革命で成立した政権がミンスク合意をなげうってロシア系住民を迫害しはじめたこと、アメリカがそれを支援してきたことに触れた)を見るとロシアが軍を送ることに一理あることを述べた。 ロシアはこれは戦争ではなくロシア系住民の多い地域に作られたドネスク人民共和国とルガンスク人民共和国を守る「特殊軍事作戦」であると主張していたが、軍をウクライナの首都キーフに進撃させた。初期作戦に失敗しロシアが併合した新ロシア系のドネスク・ルカンスク・サポロジェ・ヘルソンの領土からも後退させられるとロシア軍はウクライナの発電所・学校・病院にもミサイルを撃ち込み、冬を迎える厳寒下の一般民衆の生命を脅かし始めている。 どのような大義名分があろうと紛争を武力で解決しようとする戦争はエスカレートし双方の軍人の犠牲者・ウクライナの民衆の犠牲者は増大するばかりである。戦争の常で始めるのは簡単であるが終えるのは至難の業である。
戦争を武力で解決しようとしたロシアのプーチン政権の始めたこのウクライナ戦争でロシアに制裁を科した欧米・日本では軍備拡大が一気に進んでいる。平和憲法を持つ日本は軍事費を一気に倍増させること(GDP1%から2%へ)を議会でなく閣議決定できめた。 世界一の財政赤字を抱え、庶民の生活が圧迫されているにもかかわらずこの膨大な負担は日本を奈落の底に落とすことになることが懸念されているのだ。 ここに至って日本国憲法9条が一層の輝きを増していると言えるのではないだろうか。私は以前に以下のような一文を書いた(桐朋の教員OBの宮田光男先生が発行していた「議と愛」に掲載されたことから内村鑑三を基調にした)。
真の平和国家日本はこうありたい! ・・・内村鑑三の精神の現代的具現
16世紀に書かれたトーマスモアの「ユートピア」という本がある。ユートピアとは「この世にない土地」の意味であり、彼が頭で描いた理想の国のあり方を語ったものである。しかし、その理想国家を見ると、そこから普段はなかなか見抜けない現実のイングランドだけでなく、あらゆる国と社会のあり方が見えてくるのであった。 そこで私もこの手法で、少しく真の日本の平和国家のあり方を考えてみたい。 敗戦で日本は明治以来の軍事大国主義を脱却して、非武装・平和国家に移行することが出来た。これはまさに内村鑑三が希求していた「小国主義」「戦争絶対的廃止論」の具現そのものであった。戦争を放棄した憲法第9条こそ、彼の「戦争絶対的廃止論」が結実したものと言えよう。 戦後の日本の国のあり方を定めた日本国憲法とその第9条の条文と精神を忠実に守るとどのような国になるかを考えてみよう。 「戦力は保持しない」ことから、自衛隊は全廃する。その結果現在毎年5兆円を超える防衛費は不要になる。不審船などの日本領海への侵入への対応は現在の海上保安庁で十分である。もし非力であれば、少し装備などを充実させる必要はあろうが。 マッカーサーの日本再軍備の端緒となった保安隊創設時に、当時の社会党などが「国土建設隊」構想を提起し、災害時救援などを行うとしたことがあった。私はこれをもとに、「国際救助隊」構想を描いておきたい。
「国際救助隊」と「賠償庁」構想 現在の防衛費の5分の1程度の1兆円ほどを毎年使って、災害救助のための大型の船を数隻保持し数千人の救助隊員を維持する。武器を装備せず、救難ヘリを数機持つ軽空母型で、日本の高度な技術を駆使して造船し、船内にはあらゆる救難品を搭載し、災害があったときには直ちにその国に赴いて救援に当たる。がれきに埋もれた人を探し出す救助犬やがれきを取り除く小型ブルドーザーなどの器機も備える。船内には数百人の災害民を短期間収容する施設を持ち、けが人の治療もする。仮設住宅キットも数百個常設しておく。このような救援船は数千億円もする現在のイージス艦一隻の費用で数隻の建造が可能であろう。この出動と救助活動にかかる費用はすべて日本持ちとする。まさに無償の奉仕である。常設の救援隊は日頃高度な災難救助訓練を積んで、いつでも災害に対応できる。 この救助は普段は日本国内の災害に対して行われることは勿論のことである。対外的には近隣国家だけでなく、必要に応じて全世界に出向いて活躍する。 もう一つは「賠償庁」である。防衛費に充てていた予算の一部、たとえば現在の防衛費の1年分の5兆円ほどでを基金にして「賠償庁」を設置し、満州事件から始まった15年戦争と第二次世界大戦で日本が近隣諸国民に与えた損害を徹底的に調査し、被害にあった人々に誠意を持って最低限の(多いに越したことはないが予算との兼ね合いも考えて)賠償金を支払う。時すでに遅い嫌いはあるが、明らかにされた遺族に謝罪と賠償を行う。この「賠償庁」は恒久的なものではなく、その任務を終えたときには解散される。 このような活動を積み上げていけば、日本への尊敬も増し、日本を侵略しようとする国は無くなるであろうし、仮に不当な侵略を受けたときには、全世界が、侵略を非難し、それを押しとどめるであろう。 この国際救助隊と賠償庁にかかる費用は、現在の際限なく肥大する防衛費に比すれば問題にならないくらい軽い。そのために余ったお金は一般会計を潤し、社会保障費の充実などに向けられ、日本を全体として豊かな国にしていくことになるであろう。 自衛隊の廃止によって、現在航空・海上自衛隊が湯水のごとく浪費しているガソリン消費も無くなり、日本のCO2排出量も低下するし、各地の飛行場・駐屯地の跡地は公園や災害時の避難施設に転用される・・・などなど様々なメリットが生じる。 日本が敗戦後の窮乏から脱却し始めた1950年頃から、この「国際救助隊」と「賠償庁」を設置し、活動を始めていたら、賠償は10年間ほどで完了したであろうし、以後現在までの防衛費の総額(正確に計算していないが百数十兆円にものぼろう)の大部分を民生用に当てることができ、日本は全世界の国と国民から深く尊敬される国家になっており、侵略される心配皆無の安全な非防備平和国家になっていたであろう。 トーマス・モアの「ユートピア」同様に、戦後日本はこうありたいという、私が日頃考えているユートピア的な構想を述べてきたが、この構想から、現在の日本のおかれている状況が如何に多くの問題を抱えているかが見えてこないであろうか。 では、そうならなかった現在ではこれらのことは架空のユートピアと思われがちであるが、現行の日本国憲法を忠実に守る施策を採れば可能なことであり、決して夢物語とは言えない。それどころか、本来なら、政治は国の最高法規である日本国憲法に忠実に行われなければならないことを考えれば、この実現は決して不可能なことではない筈である。 この軍備撤廃と平和愛好指向の日本の構想は、まさに内村鑑三の目指した「戦争絶対的廃止論」と「小国主義」の精神の具現そのものではないだろうか。 内村鑑三は、この地球上から戦争を廃絶させるという課題を提起していたが、これは一旦熱核戦争が勃発すれば地球の破滅にいたるという現代世界がおかれた危機を回避して全人類を救済することにも繋がるものであり、内村鑑三の先見の明には改めて驚かされる。
最近この私の「国際救助隊」構想に近いことを行っている国(組織)があることを知った(2022・8・21朝日新聞GLOBEの「小国に生きる」)。それはマルタ騎士団である。
領土を持たない「マルタ騎士団」
中世ヨーロッパで十字軍で活躍したマルタ騎士団の現在の拠点はローマ中心部にある「マルタ主権騎士団・治外法権の地」でる。以下朝日の記事を引用しておこう。
マルタ騎士団は11世紀、カトリックを信仰するヨーロッパの貴族が巡礼者の宿泊と医療奉仕のため、エルサレムに修道会を作ったのが起源だ。十字軍に派遣された際には兵士の治療にあたった。かっては地中海のロードス島やマルタ島などに領土を持っていたが、1798年にナポレオン軍におわれて領土を失った。 その後も医療奉仕を続け、現在にいたる。1万3500人の騎士、医療にかかわる5万2000人の有給職員、9万5000人のボランテイアらが世界120ヵ国で紛争地や被災地め救済、難民やホームレス支援など2000以上のプログラムに取り組む。ロシアによるウタライナ侵攻が始まった際にも置後に救助隊を派遣した。医療支援や人道援助のとりまとめ役のモンペルも現地を訪れた。ウクライナでは、マルタ騎士団の防弾チョッキを着て活動していたメンバーが、攻撃を逃れたというニュースが報じられ た。世界保健機関(WHO)などにも代表を送り、国連やEUにはオブザーバーとして参加している。
大変特殊な小国(組織)の現在の姿であるが、彼らの果たしている役割は「憲法9条と上記の私の国際救助隊」に通じるものである。 もしこのような精神で活動する国が次々に誕生したら・・・、超大国がその隊列に加わったら、紛争の絶えない世界に明るい未来を展望することができるのではないだろうか。
■憲法9条が守られたら世界はこうなる!
マルタ騎士団と違って世界最大の領土を持つ大国ロシアがもし「憲法9条」を順守する国になり現有する膨大な軍事費を民政に使われたらと考えるとどのようなことが起きるであろうか、そう考えるとわくわくする思いである。 今回のウクライナ戦争で撃沈されたロシア黒海艦隊の旗艦「モスクワ」は莫大な量の巡航ミサイルを搭載していた。この軍艦一隻の費用だけでも950億円とされている。ロシアは極東艦隊もあり、空軍も充実している。ミサイルだけでなくロシア軍が誇る伝統的な戦車・火砲も膨大である。それに核兵器の蓄積も・・・文字通り世界的な軍事大国である。ウクライナ侵攻で急遽軍事費を増大させており、その額は治安関係費を含み9兆4000億ルーブル=21兆5000億円と推測されている。
*ちなみに世界の軍事費で1位はアメリカの8580億ドル=114兆円 2位は中国の28兆円である。 岸田政権が突如日本の防衛費をGDP2%にすると決めた。2%になると11兆3千億円となり、憲法9条で軍備を持たないはずの日本がEU諸国・ロシアを抜いて世界第三位の軍事大国になるのだ。国民生活を破綻させること必至のとんでもない暴挙と言うしかないであろう。 ストックホルム国際平和研究所の統計で2021年度のロシアの軍事費は659億ドル=8兆5670億円としており上記のロシアの軍事費はウクライナ戦争で急増したものである。ここではストックホルム平和研究所の統計で日本が世界3位になるとした。 これらすべての軍事費が不要になり、その資金を国民生活を豊かにするあらゆる分野に投じれば、自然を破壊する無駄な公共事業でなく真に必要な防災施設の整備を行い、教育・福祉の充実に資金を惜しげもなく投じる・・・。世界一広大な国土が楽園のようになるのも夢ではないであろう。 そして上記に書いた国際救助隊で無償で外国の災害支援を行ったり、貧しい国の支援に乗り出したら、そのような平和国家を侵略しようとする国はないであろう。究極の安全保障になるはずである。 ロシアに次いでアメリカ・中国も憲法9条を採用し軍備を全廃したら・・・。
夢物語は楽しいが、現実はそうはいかないのはその通りである。しかしこのようなあるべき社会の在り方を考えることは、あまりにも歪み非人間的な現実社会の本質を深く認識できるし、そこから理想の社会をどうしたら実現させていけるかを考えさせ、一歩づつそこへ近づく努力をし、いずれそれが大きな波になり現実を動かしていけるのではないだろうか。 ![]()
by suiryutei
| 2023-01-27 09:51
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