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退院して、ふと手にとってみたくなったのが『男性自身』の最終巻だ。小説家・山口瞳が雑誌『週刊新潮』の1963年12月2日号から1995年8月31日号まで32年間にわたって毎週欠かさず連載していた同題のエッセイのうち、亡くなるまでの最後の2年間弱に書かれた79編を収めたもの。山口が逝去したのは、連載掲載誌の最後の発行日付8月31日の前日、30日である。 本の発行日付は著者が亡くなった僅か一か月後の9月30日である。当時、発売されてすぐ買った記憶がある。亡くなるギリギリまで筆を持ち続けた著者の気合に応えるべく、出版社は全力で出版を急いだのだろう。 山口瞳に対しては、酔流亭はなんとなく親近感を持っている。 まず、彼は酒呑みである。『酒呑みの自己弁護』なんて著書もある。 つぎに、国立市に暮らしていて、この町のことを作品の中にしばしば書いている。酔流亭は隣りの国分寺市で生まれ育ち、中学と高校は国立にある学校に通った。 それから山口が若いころ一番傾倒した作家は中野重治だという。戦後通った鎌倉アカデミアでは歴史家・服部之総の謦咳に接している。中野重治と服部之総が好きな酔流亭はそんなことも嬉しい。 ええと、あとオマケにもう一つ書くと、浅草の雷門の近くにある蕎麦屋〔並木藪〕は山口の行きつけの店の一つであった。酔流亭は連れ合いとこの店で知り合ったのである。 それでもここしばらくは山口瞳の本から離れていたのだが、今また読んでみたいと思ったのは、1926年生まれの山口の享年は69歳なのを思い出したからだ。 いま68歳の酔流亭はその年齢に近づいてきた。 入院と退院をくりかえす最後の数か月に書かれたものは読むのがつらい。本人は自分を「検査の鉄人」と呼んだりして(当時『料理の鉄人』というTV番組が人気を呼んでいた。93年~99年放送)最後まで自分自身を笑いの対象にしているが。 酔流亭は今日これから、手術後の最初の外来診察を受けに病院に行く。術後の経過は今のところ順調に思えるから山口瞳よりももう少し長く生きられそうである。ただ、いつかは来るその日に、心の備えはしておかなくてはなるまい。 ※山口瞳に対して酔流亭は批判的なことも書いている。たとえばこの過去記事。
by suiryutei
| 2023-02-21 05:07
| 文学・書評
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