新人事制度 大阪での報告①~③
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入院している間、病床にあるTVは「テレビカード」というのを差し込んで視た。一枚1000円。一枚あれば10数時間は視ることができた。その三枚目の途中で退院日が来た。すなわち昨日である。 入院費の精算が出来て退出できるのは午前11時近く。NHK朝ドラ『舞い上がれ!』を視終わった時点で、もうTVは視なくていいやと思い、TVカードの残ポイントは清算できるので、一階に降りて精算機で清算した。410円戻ってきた。なお『舞い上がれ!』のその日の放送は、ヒロインの五島に暮らす祖母(高畑淳子・演)も、脳梗塞で入院していた病院からじき退院できるという展開であった。 さて精算機のすぐ近くにローソンがある。戻ってきた小銭から160円を投じて朝日新聞の朝刊を買った。その一面はこの記事である。 小売り大手のイオングループのうち総合スーパーを展開するイオンリテールが、パート労働者の待遇をいわゆる正社員と同等にするというのである。 ただ、記事を読んでいくと、同等の対象となる正社員とは「自宅から通える範囲の店舗に勤務地を限る<地域限定正社員>」であることが明記されている。そうして、その<地域限定正社員>とそうでない正社員との間の賃金差などには触れていない。 七面にもう少し詳しい解説記事が載っていて、そこではイオンリテールの正社員には、 〇全国的な転勤を伴う<N>社員、 〇限られたエリア内で転居を伴う転勤がある<R>社員、 〇自宅から90分以内で通える範囲の店舗間に異動は限られ転居は伴わない<L>社員、 の三つの区分があり、こんど同等待遇の対象とされるのは三番目の<L>社員であると述べられている。 この七面記事でも、その<N>と<R>と<L>それぞれの「正社員」の間にあるであろう賃金格差についての説明はない。だが、これが問題なのだ。ここ10年ほどのうちの「限定正社員」の導入によって新たに作り出された正社員内部の大きな待遇格差を不問にしたまま「<同一労働同一賃金>の実現に向け踏み出した」(一面記事最下段)と評価してしまうことには疑問を持つ。 酔流亭が働いていた郵便局では、<限定正社員>は10年近く前「新一般職」という名称で導入された。定期昇給なんかは、従来の正社員よりも三分の一くらいに圧縮されてだが、ともかく昇給があるだけ時給制より待遇改善と言える面はある。三分の一も圧縮されるなんてひどい話だが。 ところが、「新一般職」に登用された人の月決め賃金を時間換算して登用前と比較するとかえって低いケースがたくさん出た。正社員の一部であるはずの「新一般職」の賃金が、いわゆる非正規雇用の低賃金と変わらない水準で設定されているのである。これで「正規雇用と非正規雇用のあいだでの<同一労働同一賃金>が実現した」などと言われては、ほとんど詐欺ではなかろうか。 イオングループの場合はどうであろうか。昨日の朝日記事だけではわからない。 <限定正社員>は悪い面ばかりではないと思う。賃金など待遇が「限定」される他方では、労働者にかけられる負荷も「限定」させることができるからである。たとえば転居を伴う転勤を強いられることはない。もっとも転居を伴う転勤は、従来の正社員にとってももっと限定されるべきものだろう。「限定正社員」の低賃金に甘んじない限りは家族離ればなれも甘受しなければならないという日本の労働社会は異常である。
by suiryutei
| 2023-03-16 09:45
| ニュース・評論
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