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木下昌明さんの『がん日記』が始まる2014年といえば、酔流亭は労働者文学会と関係ができた年である。 働いていた新東京郵便局の労働現場について書いた『深夜労働』というルポルタージュが、労働者文学会の主宰する労働者文学賞を受賞した(評論・ルポルタージュ部門、同時受賞は牧子嘉丸『文学は現実をどう描いたか』)。 木下さんはこの文学賞の選考委員の一人であった。上に貼り付けた当時のネット記事の中にも選考委員として木下さんの名前が出てくる(なお記事を書いた秋沢陽吉さんは去年<丸山健二文学賞>を受賞した)。 表彰式と合評会を兼ねた集まりが7月にあった。合評では牧子さんも酔流亭も褒められたり貶されたりだったが、木下さんはその会に出席されていたかどうか酔流亭の記憶は曖昧だ。雑誌『労働者文学』の14年7月発行号(No.75)に掲載された木下さんの『深夜労働』選評はこのブログの同年7月11日更新記事に全文紹介した。結びの 「・・・推敲の必要な作品に映りました。宝石にたとえるなら原石の観がありました。もっとも原石であっても、これは貴重な問題提起なのでよしとしました。」 という言葉はありがたかった。<原石>という例えは、「もっと磨け」という叱責であるとともに「磨けば輝く」わけだから最高の誉め言葉でもある。 なお受賞仲間の牧子さんにはそれ以来なにかとお世話になって今日に及んでいる。 ところで木下さんの日記のこの年10月31日の記述に「夜、食道がんを患っている沢木くんに電話する」とある(11ページ)。 「かれは国立がん研究センターで抗がん剤治療をしている。」 この「沢木くん」とは、労働問題研究者の沢木 勇さんのことだ。その少し前、さる労働講座で沢木さんと酔流亭とで報告を分担することになっていた。 そのころ拡がりだしていた「限定正社員」というものをどう考えるかが講座のテーマで、沢木さんがその理論的な分析、酔流亭は郵便局の労働現場ではどうなっているかの報告を行なうことになった。 講座の企画は、その年の春に立てられた。 ところが、夏場になって、沢木さんの病状の進行が急であった。報告を行なえる状況ではなくなってしまった。9月24日に行なわれた講座は、酔流亭一人だけの片肺の報告となった。模様は同年9月28日の更新記事以下に書いてある。 癌とは本当に怖い病気だと思った。こんな急スピードで人の身体を蝕んでいくのだから。年を越さずに沢木さんは亡くなられた。今の酔流亭(68歳)より若かったと思う。 さて木下昌明さんが映画について語るのを酔流亭が初めて聴いたのは、翌2015年の暮れだった。労働者文学会では忘年会の前に映画を一本観るのが慣わし(ここ数年はコロナ禍でやっていない)、その年は『ノーマ・レイ』のDVDを観た。木下さんが選ばれたのだろう。『がん日記』の当時(15年12月上旬)の記述を読むと、腰やら身体のあちこちの痛みを訴えながら渋谷に映画を観に行ったりもしている。本当に映画がお好きだったんだな。 ※労働者文学会のHPはこちら。
by suiryutei
| 2023-04-24 08:01
| 文学・書評
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Comments(2)
こんにちは。お元気ですか。
いろいろ懐かしい思い出がよみがえってきました。受賞時には「褒められたり貶されたり」とあなたは書いているけど、自分には「貶されたり貶されたり」の記憶しかないですね。 長老みたいなのが「つまんねえんだよ」とか「こんなの大学生の卒論程度だな」と伝法口調で言って、礼儀のない連中だなと思いました。木下さんはそのときはいなかったように思うのですが。 秋沢さんが福島から参加していて翌年に受賞。それから去年には丸山賞を受賞。井上光晴や丸山さんに師事して文学を磨いてきた結果です。木下さんがいたらさぞ喜んだはずです。 先日、バルザック原作の映画「幻滅」を見ました。ひさしぶりに骨太な文芸大作で200年前にメディアの虚偽をすでに暴いています。レイバーネットに映画評を書いたのですが、木下さんならどんな切り口だったろうかと思いました。もちろん及びませんが、土田さんも機会があればぜひ。 土田さん、太宰の「満願」じゃないけれど、今が大事なときですからくれぐれもご自愛を。
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牧子さん、コメントありがとうございます。
牧子さんが書かれた『幻滅』の映画評、いま読みました。作品を観てみたくなる批評です。思想的には王党派だったバルザックが資本主義社会の人間模様を鮮やかに描きとり、マルクスはそれを高く評価していたというのは面白いですね。
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