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明日から5月。『伝送便』誌も5月号が完成した。一昨日発送されたから、定期読者へは明日5月1日には届くかと思う。フランス在住(最近パリからナントに引っ越された由)の山口 啓さんがかの地の年金デモの模様をリポートしてくださるなど、国際色ゆたかな誌面である。 同号に寄稿した文章を転写します。2月号、3月号寄稿の続きのような内容です。 ![]() 本誌三月号に『断腸の記』という文章を載せていただいた。腸閉塞(S状結腸捻転症)の治療のため、タイトルの通り、大腸の一部を手術で切り取られたという話である。読んでくださった何人もの方からお見舞い・激励の電話やメールを頂いた。ありがとうございます。 断腸の記 ~『伝送便』誌3月号寄稿 : 酔流亭日乗 (exblog.jp) ところが、その手術に伴う胃の内視鏡検査で癌が発見されていた。今度はそれを除去するため、退院から一月後に再入院となった。ただ、胃に出来た癌はまだ初期の小さなものなので、腸閉塞の手術のときのようにメスを入れて開腹しなくとも、口から入れた内視鏡によって切除できた。内視鏡的粘膜切除術(EMR)という。 癌を宣告されたときの気持ちはなかなかに複雑であった。ショックではあったが、それだけでもない。というのは、私は本誌の二月号に斉藤幸平の新著『ゼロからの資本論』について書評めいた記事を書き、その中で、資本の下での<疎外>をめぐって斎藤を批判した。 斉藤幸平『ゼロからの「資本論」』を論ず : 酔流亭日乗 (exblog.jp) 「・・・著者はこの<疎外>の原因を資本の専制による『構想』と『実行』の分離に求める。・・(略)・・しかし、労働者が疎外感を覚える第一は、自らの中身を資本に吸い取られていく(搾取される)そのこと自体ではなかろうか。・・(略)・・私の場合で言えば、『構想』から排除されて『実行』ばかりやらされたことよりも、深夜不眠の労働で自分の健康が目に見えて磨り潰されていったことだ。・・」(本誌二月号二二ページ) 後日いくらか気が咎めたのは、「深夜不眠の労働で自分の健康が目に見えて磨り潰されていった」と書いたのはちょっと大袈裟だったかなということだ。何だかんだ言っても、私は現役中に大きな病気はせず郵便局を六一歳まで勤め上げたのだから。しかるに、ここへきて腸がくり返し捻じれて切除手術を受けた上、続いて胃癌の宣告だ。現役時代の「深夜不眠の労働」の蓄積によるダメージが顕われたと考えるのはそれほど無理なこじつけではない。私はハッタリを書いたのではなかった。どうだい、自分が書いたことを自分の身体で証明したぞ。 そう考えて私は心中ひそかにニンマリし、けれどもすぐ、癌を宣告されて喜ぶ奴がいるだろうかと思い直した。 人間が外部に創り出したものが、人間の持っている力を吸収して巨大になり、逆に人間を支配する。そういう状態を<疎外>だと私は理解する。人間が神を創ったにもかかわらず、宗教においては人間の本質が神に吸収され、この神に人間は従属してしまう。これを資本と労働の関係に当てはめれば、資本とは人間の労働の所産である。労働者が労働すればするほど、その労働が産み出すものは資本として蓄積され大きくなり、労働者を支配する。労働における<疎外>の根本はここにあると思う。 もっとも、いつか資本が廃絶され、したがって搾取も無い社会が到来したとしても、分業による労働の細分化とか単調さという問題は残る。搾取が根本だという一本鎗では、労働のあり方そのものを見つめるということがどうしても弱くなってしまう。私の斎藤批判は言葉足らずであったことは引き続き認めなくてはならない。<疎外>とは何かを考え続けることは、病み上がりの我が残生における課題の一つになった。 ※斉藤幸平について論及した過去ログとして、ご参考までに
by suiryutei
| 2023-04-30 08:12
| ニュース・評論
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