梅雨の晴れ間に地元の神社で～関東大震災時に起きた我孫子事件

昨日の午後は晴れた。晴れると陽射しはもう夏である。今朝の空はまた雲で覆われ・・と書いていたら、大粒の雨が落ちてきた。

気象情報でもこのさき明日も明後日も曇りか雨だ。昨日の午後は梅雨のわずかな晴れ間であったようだ。

その青空の下、床屋にかかった。いつも行く理髪店はJR我孫子駅のすぐ近くにある。で、頭を丸めてから、やはり駅に近い八坂神社にちょっと行ってみた。我孫子駅南口から手賀沼のほうへ向かう道と成田街道（国道356号線）とが交差する四つ角にある。

見たとおり小さな神社ながら、界隈ではそれなりの由緒があり、毎年7月なかばに行なわれる祭礼では立派な御神輿がここから出る。去年までコロナ禍で3年続けて祭礼は中止だったが、今年はやるようだ。

今から100年前、関東大震災が起きたときはここの境内に罹災者のための救護所が設けられた。

ところが、そのとき惨事も起きたのである。境内に詰めていた自警団員によって3人の朝鮮人が虐殺された。こん棒や杉の丸太で殴り殺されたという。

酔流亭がその事件を知ったのは、つい最近だ。5月に開催された＜憲法を考える市民の集い＞で水島朝穂さん（早大法学部教授）の話を聴きに行ったとき会場の近くで＜福田村事件を語る集い＞（7月7日開催）のチラシを受け取った。そのチラシに「関東大震災と我孫子事件」という文章のコピーも挟まれていたのである。『我孫子市史近現代編』という冊子から抜き刷りしたコピーであるようだ。

福田村事件というのは、やはり関東大震災のとき、現在は千葉県野田市に含まれる旧福田村で、香川県から薬売りの行商に来ていた一行15人が朝鮮人と間違われて襲われ、幼子や妊婦を含む9人（妊婦のお腹の子も数えると10人）が惨たらしく殺された事件である。

この事件については近年いくらかは知られるようになってきた。100年にあたる今年は映画も公開される（森達也監督、9月1日から公開）。

映画『福田村事件』公式サイト (fukudamura1923.jp)

しかし、我孫子でも起きていた惨事についてはまだほとんど知られていない。前述したように酔流亭も知らなかった。