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新人事制度 大阪での報告①~③
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昨日の東京新聞夕刊に載った中島岳志の【論壇時評】は、来年が没後10年になる宇沢弘文を論じている。 宇沢といえば、キーワードは<社会的共通資本>である。宇沢は近代経済学の人だが、マルクス主義の流れをくむ人たちも最近よく論じる<コモン>という概念は<社会的共通資本>とかさなるところが多いと思う。中島も三段目にこう書く。 「この構想(社会的共通資本のこと=引用者)は、近年、盛んに論じられている『コモンズ』の理念を先取りするものと言える。」 もっとも、たとえ<社会的>であり<共通>であっても、資本とはマルクス主義者にとっては廃絶するべきものであるから、マルクス主義では<社会的共通資本>という語は使わない。そこで、コモンという、コミュニズム(共産主義)という語も元はと言えばそこから派生したであろう言葉を使うのだが、すると今度は、このコモンを何か労使協調思想のようなものと思い違いをして、けしからんと息巻く自称マルクス主義者もいる。共有というのを、資本家と労働者が仲良くすることだと勘違いするらしい。ややこしいことである。だが、共有とは、もちろん私的所有に対立する概念としてそれを言うのである。 中島岳志がそこから宇沢弘文の言葉を引用している岩波新書『社会的共通資本』は酔流亭の本棚にもある。かつて郵便労働者として郵政民営化と向き合わざるをえなかったとき、それ(民営化)とは違う方向をもがいた。裏表紙にBOOKOFFの108円という値札がまだ貼り付いている。消費税が8%だったとき(2014年~19年)に買ったのがわかる。秋葉原駅のすぐ近くに大きなブックオフがあるから、おそらくは、退職する前の14年~16年のあいだの泊まり勤務明けの或る日、神田の蕎麦屋〔まつや〕の暖簾が出る午前11時を待っていてブックオフに寄って買ったのである。 社会的共通資本にせよコモンにせよ、目指す方向としてはそれなのだが、どう実現していくかということにおいて無力感に浸った。今でもそうだ。労働現場から離れた今も、その無力感をどう乗り越えられるかは、わが課題である。 ※関連して
by suiryutei
| 2023-06-28 09:01
| 文学・書評
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