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恩田睦の小説『蜜蜂と遠雷』が2017年に直木賞と本屋大賞の両方を受賞して話題になったこと(そういうケースは珍しいそうだ)は知っていたが、読みそびれたままだ。それが映画化された作品が昨日の午後NHKBSで放送された。2019年公開という。 若手の登竜門として注目されているピアノコンクールに挑む4人の若者たちの物語である。視終わってからインターネットを眺めると、小説の愛読者からは「原作とあまりに違うじゃないか」と映画を批難する声が上がっている。でも原作を知らない酔流亭は、映画は映画として愉しめた。 作品の出来にかかわることではないけれど、一次、二次の審査を通過して臨んだ本選で、若者たちのうちマサルが弾くのがプロコフィヨフのピアノ協奏曲2番、アヤが弾くのは同じく3番であった。この2人がコンクールの1位、2位に入選することは映画の最後に字幕で明かされる。 プロコフィヨフというのは、そう馴染のある音楽家ではない。それでも酔流亭に妙に印象にあるのは、音楽評論家の故・吉田秀和がピアニストのリヒテルを論じて「これとこれの曲では彼が最高だと専門家が異口同音にいうだろう曲は何だろう? もしかしたらプロコフィエフのソナタの二、三がそうかもしれない。・・」と書いた文章を読んだ記憶があるからだ。吉田が生前、朝日新聞に長く連載した『音楽展望』のその回の切り抜きがたまたま机の引き出しの中に残っている。切り抜きに日付が入っていないが、リヒテルの訃報(1997年)に接して間もなく書かれたのではないかと思う。 協奏曲とソナタとの違いも知らないほど酔流亭は音楽にど素人である。ただ、プロコフィエフのピアノ曲とはどういうものか、何となく触れることができたような気になれたのは映画『蜜蜂と遠雷』からの酔流亭にとっての収穫であった。 ところで2時間の映画で登場人物たちの会話の中に実在のピアニストの名前が三つ出てくる。まずマサルが一次予選を弾き終わったとき、師匠から「ホロヴィッツかリヒテルにでもなったつもりか」と叱責される場面。調子に乗るな、自分の指導どおり弾け、ということだろう。もう一つの場面は、明石という青年(英才教育を受けている音大生ばかりのコンクール受験者にあって、この人は妻子持ち、仕事持ちで年齢も応募できる上限ぎりぎり、生活から生まれる音楽を志す。松坂桃季が演じた)が課題曲を練習しているのを聴いて妻があまり肯定的ではない感想を述べ、すぐ「でも私にはあなたとアルゲリッチの違いもわからないのだから」と、つくろう。 この3人のうち今も生きているのはマルタ・アルゲリッチだけだ。この女性ピアニストはやはりすごいんだね。下の写真はショパンを弾くアルゲリッチのCD。連れ合いが購入したものを、今はもっぱら酔流亭が聴いている。 プロコフィエフの古いLPレコードも一枚だけあった。 ロストロポービッチのチェロが主役で、一面はプロコフィエフのチェロ・ソナタをリヒテルがピアノ伴奏し、二面はショスタコービッチのそれをなんと作曲者のショスタコービッチ自身がピアノ伴奏している。 ※関連して。音楽を話題にした過去記事は少ないのだが、まれにこんな記事が。
by suiryutei
| 2023-10-04 06:52
| 音楽
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