シットダウンとスタンドアップ

全米自動車労組がストライキによって待遇の大きな改善をかちとったことが伝えられている。下の写真は、闘いを報じる横浜市従労組の機関紙紙面。ストを決行した労働者たちの高揚した気持ちが覗われる。

こちらは新社会党の機関紙『新社会』の紙面である。

興味を引かれるのは、労働者たちが今回のストライキを「スタンドアップストライキ」と呼んでいるということだ。1930年代、ゼネラルモータースの労働者たちは、ストライキをしている間にスト破りに工場に入りこまれないよう、工場の中の自分の持ち場に座り込んだ。これは「シットダウンストライキ」と呼ばれる。

こんにちのアメリカの自動車労働者は、1930年代の先輩たちの闘いに敬意を払いつつ、それと対比させて「スタンドアップ」という言葉を使うのだろう。シットダウンは座り込むという具体的な戦術を表すが、スタンドアップには闘いに立ち上がるという象徴的な意味も込められているようだ。