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朝起きて2階の窓を開けると、近くに停まっている自動車の屋根(ん、車に屋根っていう表現は変かな?)が白くなっている。霜だ。 今朝は冷えた。やはり師走である。『伝送便』12月号への寄稿の全文を転写します。 ![]() 池田実さんの本誌連載が単行本となった『郵政労使に問う』が今年の自費出版文化賞個人誌部門を受賞したことはご存じのとおり。先月一二日に行なわれた同書の<出版を祝う会>はこの受賞によって一段と盛り上がった。なにしろ同賞の表彰式はその前日だったのだ。 『郵政労使に問う』を推した選考委員は成田龍一氏(歴史家、日本女子大学名誉教授)だという。 成田氏といえば、一昨年亡くなった歴史家・色川大吉の一周忌シンポジウム(去年七月開催)で基調講演をされた人である。そのシンポジウムを私は聴きに行けなかったけれど、参加した友人から様子を聞き、レジメを見せてもらった。若い頃から色川史学に親炙した人らしい内容で共感した。 色川大吉と西川長夫 ~不発の論争 : 酔流亭日乗 (exblog.jp) 一九六八年そのゼミナールがフィールドワークで五日市憲法草案を発見したことでも著名な色川大吉(当時東京経済大学教授)は、自分史という言葉を造語した人である。井上ひさしがそう認定している。あるいは自分史という言葉はその前からあったかもしれないけれど、色川大吉が『ある昭和史―自分史の試み』というベストセラーを書いた(一九七五年度の毎日出版文化賞受賞)ことによって定着したのである。色川史学に通じた成田氏が池田さんの『郵政労使に問う』を自分史として推奨したのも納得だ。 いっぽう労働運動研究家の熊沢誠氏が名著『労働組合運動とはなにか』(岩波書店、二〇一三年刊)の中で、こう述べている。 「国労ばかりではなく、全体として公労協はそれ以降、ひたすら穏健化することになりました。例えば全逓信労働組合は、なお職場での抵抗力を残していた組合ですが、七九年のいわゆる四・二八事件(執行部による職場活動家の切り捨て)は、変質の代表的な指標といえましょう。座視できないこの<よんにっぱ>について、総評の正史はほとんどまともな記録を残していません。」 (第三章「企業別組合への道ゆき」一二三~一二四ページ) 正史が「まともな記録」を残さないまま、総評も全逓も消滅した。まともな記録は、現場で闘った一人一人によって、自分自身の歴史ともかさねられながら、これからも書き継がれていくにちがいない。 ここで手前味噌を。『郵政労使に問う』に対して自分史という言葉を使った嚆矢は雑誌『地域と労働運動』去年一一月号に掲載された紹介記事であろう(池田さんご自身は自著の<はじめに>で「私史」という表現をしている)。その記事、じつは私が書いた。池田さんの本の価値にいち早く着目して誌面を提供してくださった『地域と労働運動』の川副編集長に改めて感謝する次第。同記事とほぼ同じ内容の文章は〔デジタル労働者文学〕創刊試作号(二〇二二年一二月UP)にも収められていて、労働者文学会のHPから読むことができます。 ![]() 『郵政労使に問う』(池田実著)を読む ~「地域と労働運動」掲載(前編) : 酔流亭日乗 (exblog.jp) 「自分史」としての4.28反処分闘争 ~『郵政労使に問う』紹介の後編 : 酔流亭日乗 (exblog.jp)
by suiryutei
| 2023-12-02 08:15
| 文学・書評
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Comments(2)
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