新人事制度 大阪での報告①~③
記事ランキング
最新の記事
タグ
労働(124)
最新のコメント
カテゴリ
最新のトラックバック
以前の記事
2025年 07月 2025年 06月 2025年 05月 2025年 04月 2025年 03月 2025年 02月 2025年 01月 2024年 12月 2024年 11月 2024年 10月 more... ブログジャンル
画像一覧
検索
|
目取真俊の去年刊行された短編小説集『魂魄の道』に収められた5編は、いずれも沖縄戦で住民がなめた艱苦の記憶を辿る。 2話目に置かれた『露』では、港の荷揚げ作業が終わってから6人の男が酒盛りをする。1986年の夏の或る日の夕方だ。軸になる語りは二つである。 一つは、68歳(すると戦争中は20代)の男が語る中国戦線での記憶だ。行軍の苦しさの鬱憤を晴らすべく中国の住民に残虐行為の限りを尽くす日本兵たち。 もう一つは、沖縄戦の末期、洞窟(ガマ)の中で、意識を失って瀕死の中学生(鉄血勤皇隊員)の身体から滲みだす水分を吸って生きのびた65歳の男(沖縄戦のときは24歳だ)の語り。中学生は死んでしまう。題名の『露』とは、男が中学生の身体から吸い取った水分を指す。 どちらも重い主題であり、詳しくは20日に迫った『魂魄の道』読書会で参加者の方々と議論したいと思う。 今日は軽い話で逃げておく。 酒盛りで飲むのは缶ビールと、それに沖縄だからやはり泡盛である。 肴の中心はミジュンだ。鰯の一種で、沖縄ではどこの港でも桟橋からよく釣れるらしい。「小型ナイフのような魚体」とあるから、キビナゴほどのサイズであろうか。酢味噌かショウガ醤油をつけて刺身で食べるようだ。潜って獲ってきたサザエもある。これは七輪の上で焼いてバターと醤油を垂らして食べる。 どちらも旨そうだね。 ところが、中の一人は、ミジュンやサザエよりも、サバの缶詰を開ける。泡盛をサバ缶の煮汁で割って飲むのが一番うまいというのである。 サバ缶には味噌煮と水煮がある。どちらの缶詰なのか明記されていないけれど、これは当然水煮だろうね。味噌煮の汁ではくどいだろう。 じつは我が家で一昨日開けたサバ水煮缶の少し残ったのを昨日の夜食べた。煮汁をちょいと吸い、清酒を口に含むと、これがじつにいい塩梅である。 これなら泡盛を割っても、きっと旨い。 なお昨日飲んだ清酒は山梨〔七賢〕の純米である。
by suiryutei
| 2024-03-16 09:12
| 酒・蕎麦・食関係
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||