新人事制度 大阪での報告①~③
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絵に描いたような菜種梅雨と言ったらいいのか、今日も夜は雨になるそうだ。 昨日は鰯の刺身で飲んだ。焼き物は鮭。 山口瞳に 小鰯も鯵も一塩時雨かな という俳句がある。そのせいかぐずついた天気が続くと鰯が食べたくなる。昨夜食べたのは一塩したものではなく、まったくの刺身であったが。 なお「時雨」は季節としては秋から冬に降る雨なので、今ごろ引用するのはおかしいのだけれど、「春時雨」とか「蝉しぐれ」という言葉もある。大目に見てね。 山口が上の句を詠んだころ東京では鰯をまったくの生で食べる習慣はまだ無かったのではないか。足の速い魚介も冷蔵施設と輸送の発達によってどこでも生で食べられるようになった。輸送の発達は、長距離トラックの運転手たち物流業で働く人々の過重労働の上でのことだけれど。 飲み始める前、下山事件についてのNHKTV番組の後半を視た。先月30日に放送されたのを録画しておいて、前半は3日前に視たことを一昨日の更新記事に書いた。 前半はドラマであったが、後半はドキュメンタリー。事件が起きたときGHQで諜報活動に携わっていた人物がつい最近まで存命だった。アメリカまで取材に行った番組スタッフにその人物が 「共産主義に対しては戦前の日本のやり方が一番いい。容赦なく叩き潰すことだ」 てなことを語る。その反共意識の強さには辟易した。なるほどこんな連中だったら何をやるかわかりゃしない。 そういう取材も含めて見ごたえのある番組(前半も後半も)だったが、事件の一方の当事者であった国鉄の労働者への目配りが欠けていたように思うのがちょっと不満である。 一昨日の更新記事では、当時国鉄労組の副委員長だった鈴木市蔵氏の著作『シグナルは消えず』から、下山総裁の葬儀にあてて草されながらも読まれることはなかった弔辞を『シグナルは消えず』のページの写真としてUPした。 今日は弔辞の全文を写しておきたい。対立する労使としてぶつかり合いながらも、真情のこもった文として感銘を受けたからである。 弔辞 下山さん、突然お変わりになったお姿に、いま六〇万全組合員の、心からなるお別れの言葉を申し上げに参りました。 国有鉄道はいま極めて困難な問題をつつんでいます。この時にあたり、初代総裁の任につくことを回避する向きが多かったのに、あなたは敢然と、からだをはってやってみようと引き受けられたと、もれ聞いています。 私どもは組合の代表として、あなたの心情がよくわかっていればこそ、強く私どもの立場を主張しました。その都度あなたは誠意をもって接せられました。あなたにだけは私どもの真意がわかって戴けたものといまでも信じています。 今回の行政整理は労働組合と日本の運命を左右するほどのものであり、私どもはあなたと肚をわってお話し、交渉する熱意をもってあの七月二日の交渉に臨んだのでありました。しかし、意見が対立のまま暗礁にのりあげ、あなたは遂に打ち切りを宣言されました。私どもはその時あなたの苦衷がお顔にサッと表れたことを知っています。 これは今回の犠牲者の身の上に思いをはせられた人間下山と、無理な政治的要請との板ばさみにあった断腸の思いのあらわれであったと考えられます。それから私どもは改めてとっくりお話合いのできることを期待してみまもっていましたのに、はからずもここにお変わりになったお姿に接し、つぐないようのない損失として心から悲しく思っています。六〇万全組合員は本日あなたの御人格をしのびつつひとしく哀悼のまことを捧ています。 お別れにあたって私どもは国鉄を再建し、日本を復興するために誠意をもって事態の円満なる解決を念願していることを申し上げたいと存じます。どうか国有鉄道のために永遠のいしずえとしてやすらかな眠りにつかれますようお祈りしてお別れのことばと致します。 一九四九年七月九日 国鉄労働組合
by suiryutei
| 2024-04-08 09:11
| ニュース・評論
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