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飛騨からの便りがこの春も届いた。 古川を中心に活動するNPO【思い出の絵本展】からだ。去年11月に飛騨市図書館で開催された<思い出の絵本展2023>の様子を伝えてくれている。 NPO【思い出の絵本展】については〔デジタル労働者文学〕創刊準備号(2023年1月1日公開)に寄稿した紀行文の中で少し触れた。 文中、その箇所だけを下に写します。【思い出の絵本展】のHPも文中にコピーしてあります。 ・・・・ 松本では青空だったのが、安房トンネルを抜けて飛騨に入ると曇り空だ。飛騨では高山ではなく古川に泊まる。宿はいつも〔蕪水亭〕と決まっている。 私が古川を、〔蕪水亭〕を初めて訪ねたのは30数年ほど前である。2月の雪が降る日だった。一人旅。夜、部屋で夕食を摂っていると着物姿の若い女性が挨拶に来た。現在の女将さんである。そのときは関西から嫁に来て間もなく、まだ女将の修行中だと言いつつ、燗のついた徳利を酌してくれながら、飛騨の暮らしを、遠方から来て戸惑ったことなんかも交えて話してくれた。 翌朝はロビーで朝食をとった。囲炉裏が切られており、炭火の上に大きな朴の葉が敷かれて、葱をたっぷり刻んだ味噌が載せてある。飛騨名物の朴葉味噌だ。これは白飯にも酒にも合う。もっとも30数年前は、私はまだ朝酒をやる習慣がなかった。 TVでは朝7時台のNHKニュースが流れていた。桜井洋子アナウンサーがその時間帯のキャスターを務めていたときである。なんでそんなこと覚えているかというと、給仕をしてくれた年配の中居さんがTV画面にふと目をやって 「この人は感じがいいですなあ」 とつぶやいていたのが妙に印象に残っているからだ。桜井アナウンサーは現在も〔ラジオ深夜便〕という放送でたまに声を聴くことがある。声を聴くときまって30数年前初めて古川を訪ねたときを思い出す。 〔蕪水亭〕は荒城川と宮川が合流する畔にある。土地の人たちはその流れで蕪を洗ったので川は蕪水(ぶすい)と呼ばれ、それが宿の名にもなった。2004年、秋の台風で水害に遭う。母屋のほとんどを流され、再建まで9か月を要した。流されず残った土蔵が現在は改造されてロビーになっている。TVは今は置かれておらず、朝食のときは武満徹が古今の名曲をギター独奏に編んだのが流れていたりする。武満も古川の町を愛した人である。晩年の作品『精霊の庭(スピリット・ガーデン)』は古川の人びと、たたずまいに触発されて作ったのだという。音楽に疎い私はまだ聴いたことがないのだが。武満が編曲した『ギターのための12の歌』は大好きだ。その12曲の最後に採られているのは『インターナショナル』である。ロビーの書架にはたくさんの絵本が並んでいる。女将さんはNPO法人【思い出の絵本展】の理事長を務めているのだ。あちこちの保育園に〝出前〟して子供たちに絵本を読み聞かせたりしている。 https://www.ehonten.com/ 四代目にあたる現当主と女将さんは水害を乗り越え、二人の娘を育て上げた。長女は〔蕪水亭〕が古川の町なかに出す〔OHAKO〕というカフェを任されている。次女には婿が来て、若夫婦はいま五代目を継ぐべく修行中だ。 現当主が包丁を握る料理はほんとうにうまい。飛騨に伝わる懐石料理の伝統をふまえながら、いま彼が力を入れているのは薬草を食材に採り入れることだ。女将さんがNPO【思い出の絵本展】なら、当主のほうはNPO【薬草で飛騨を元気にする会】の理事長である。二人は飛騨古川の町づくりの中心になっている。 https://www.facebook.com/hidayakusou/ ・・・・・・ 〔デジタル労働者文学〕については、こちらを。目次をクリックすると全ての掲載作品が読めます。 【思い出の絵本展】の活動拠点となっている古川の旅館〔蕪水亭〕は飛騨の郷土料理である朴葉味噌を初めて泊り客に供した宿としても知られている。
by suiryutei
| 2024-04-10 08:22
| 身辺雑記・自然
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