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『グラムシ』(片桐薫著、リブロポート、1991年刊)を今朝読み終えた。 去年10月、神田〔古本祭り〕で買ったものだ。三分の一ほど読み進んだところ(グラムシの生涯に即して言えば、伴侶となるジュリア・シュフトと出会ったあたりまで)で、冬の間は中断していた。 グラムシの伝記では、非常に評価が高い作品としてG・フィオーリ著『グラムシの生涯』(1971年)がある。世界各国で翻訳され、日本では1972年に藤沢道郎訳、平凡社選書で出ている。酔流亭も長く積読にしておいたそれを一昨年から去年にかけて度々手にとった。 この『グラムシの生涯』は、人名索引まで入れて466ページ。 いっぽう今朝読み終えた『グラムシ』のほうは、年譜まで入れて452ページだ。つまりほぼ同じ分量である。 だから、去年〔古本祭り〕で見つけたときは「同じような内容をまた読むことになるんじゃないかな」という危惧もあった。そして、たしかに重複する箇所はたくさんある。著者の片桐氏自身が<あとがき>の中で『・・生涯』にことに言及して「私も少なからぬ点で参考にさせてもらっている」と書いておられるし。 その危惧は当たらなかった。『グラムシの生涯』は名著だが『グラムシ』もそれに劣らない。欲を言えば、イタリア共産党の創成期に路線をめぐってはグラムシと対立しながらも、お互いに相手に高い敬意を抱いていたというボルディーガについて、もっと知りたいと思った。ウィキペディアで調べると彼は1970年まで生きているのである。政治活動からは離れたらしいが。 (この写真はグラムシのほう) 1937年4月にグラムシが亡くなった後、彼が獄中でしたためた33冊のノートは親友だった経済学者ピエロ・ズラッファや義姉タティアーナの努力で無事保管され、1938年7月、モスクワへ送られた。ところが、それはファシストの新聞に包まれて郵送された。ファシスト政権下のイタリアから赤いソ連に送り出すには必要なカムフラージュであったか。モスクワの税関ではそれをコミンテルンに宛てファシストの宣伝物が送りつけられてきたと勘違いして、あわや廃棄されるところだったらしい。「念のためお知らせする」という税関からの一報が無かったらどうなっていたことやら。 そんなのも今朝、巻末まで読み進んで知ったことである。
by suiryutei
| 2024-04-16 09:37
| 文学・書評
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