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昨日の午後NHKBSで放映された『プレイス・イン・ザ・ハート』を視る。1984年、ロバート・ベントン監督。 この映画を酔流亭は好きだ。TV放映でばかり、これが3度目である。 サリー・フィールド扮するヒロインは専業主婦で、小学生の男の子と就学前の女の子がいる。連れ合いは町の保安官なのだが、映画が始まってすぐ死亡してしまう。 黒人の若者(未成年のように見える)が泥酔して拳銃をふりまわしているのを補導しようとして撃たれてしまうのである。その黒人の若者は飲みほしたウィスキーの空瓶を宙に放り投げて拳銃を何発も撃ち、弾倉が空になったはずなので、ふざけて保安官に銃身を向けた。ところがまだ一発残っていたのである。 黒人の若者はただちに白人たちにリンチされ殺されて、遺体は首に縄をくくられてトラックで引きずられた上、黒人たちの居住地で木に吊るされる。 1935年、大不況期のテキサスが舞台だ。人種差別の酷さを視る者に突き付ける冒頭場面だった。 稼ぎ手を失い、幼い2人の子とともに遺されたヒロインは経済的苦境に直面する。家のローンを払う目途もたたないのだ。 そんな彼女を救うのが流れ者の黒人農夫である。夕食と納屋での一夜と朝食を恵まれただけの縁だったが、2人は力を合わせて綿花の栽培に取り掛かる。そうして綿花収穫の一番乗りを果たし、綿花の代金と一番乗りの賞金によってヒロインはピンチを脱する。 ・・・いろんなエピソードが間にちりばめられているのだが、おおよそこんなストーリーである。 視終わって、ふと思い出したのは映画『アラバマ物語』(ロバート・マリガン監督、1962年)だ。この映画も時代は1930年代の大不況期だから『プレイス・イン・ザ・ハート』と同じである。舞台は題名のとおりアラバマ州で、アラバマも『プレイス・イン・ザ・ハート』のテキサスも、アメリカ合州国の南部に位置する。合州国南部の人種差別の激しさは本多勝一さんの古典的ルポ『アメリカ合州国』で読んだ記憶がある。 『アラバマ物語』は映画が日本公開されたとき付けられた邦題であって、原題は『To Kill a Mockingbird』というそうだ。その意味は「無害な存在に無慈悲な行為をすること(は罪である)」ということだというのは、つい最近知った。 すると、かすかな引っかかりを覚えるのは、あの映画で暴行事件の濡れ衣を着せられ、そのあと逃亡しようとしたとされて射殺されてしまう若い黒人農夫は「無害な存在」とだけ位置づけられているのか、ということである。不正と立ち向かうのはグレゴリー・ペックが扮したフィンチ弁護士のような良心的白人である。 『プレイス・イン・ザ・ハート』に登場する流れ者の黒人農夫はもっと能動的だ。ヒロインに救いの手を差し伸べる。ヒロインから綿花を安く買い叩こうとした白人仲買人から「目ざわりな奴」と目されてKKK団(黒人をリンチにかける白人人種差別主義集団)に襲われもするが。 これは両作品の優劣を言うのではない。どちらの映画も酔流亭は大好きである。冒頭、『プレイス・イン・ザ・ハート』を視るのは3度目と書いたが、『アラバマ物語』はもっとくり返し視ている。 ただ、『アラバマ物語』が作られた1962年と『プレイス・イン・ザ・ハート』の1984年の間には、合州国における黒人解放運動の前進と蓄積がある。おそらくそれが反映しているのだろうと思う。 今日の更新記事の内容とは関係ありませんが、先週、近所で外食したとき最初に飲んだ酒。茨城の銘柄です。
by suiryutei
| 2024-10-16 09:19
| 映画・TV
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