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8月27日の日記(『高三の夏』)で、吉田拓郎の『今日までそして明日から』という歌にちょっと触れた。そのとき、新聞のコラムでこの歌に言及していた映画プロデューサーの鈴木敏夫氏のことを「どんな映画を作っている人か知らないが」と書いた。 ところが、それから数日後、スタジオジプリの広告記事で、この鈴木氏がおおいに語っているのを目にすることができた。スタジオジプリが発売した『加藤周一 日本その心とかたち』というDVDの広告である。 それによれば、鈴木敏夫氏は1948年生まれ。現在、スタジオジプリの専属プロデューサーであり、『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』などのいわゆる宮崎アニメの製作にあたってきたとのこと。 それならば、『もののけ姫』や『千と千尋の・・』は酔流亭も観ている。全然知らないわけではなかった。 この人は、若いころは寺山修司を読み耽った。寺山に飽き足らないものを感じ始めたころ加藤周一の『日本文学史序説』に出会い、衝撃を受けた。20代後半のことだ。以来、加藤さんの著作をくりかえし読み、「へんな話ですが、僕は加藤さんの書かれたものによって、目の前にいる宮崎駿のやっていることを理解し、理解すると同時に、宮崎駿にフィードバックできるようになった。宮崎駿が本能でやっていることに対して、僕は加藤さんの知恵を借りながら、あなたのやっていることはこういうことじゃないか、という会話が成り立つようになったんですね」。 寺山修司から加藤周一へというのは、ちょっと飛躍というか断絶があるような気もするけれど、若い魂の遍歴とは、そうしたものだろう。酔流亭が加藤さんの著作に初めて接したのも、やはり20代の終わりころだ。『戦争と知識人』を読んだのだと思う。鈴木氏と同様、衝撃を受けた。加藤さんの立場を鈴木氏は「近代の擁護」と呼んでいるけれど(賛成)、その近代とは理知の力ということである。酔流亭は、そこから石川淳や林達夫を読むようになった。 しかし宮崎アニメと加藤周一というのは、これを読むまで気付かなかったな。『もののけ姫』なんかからは、むしろ故・網野善彦の史学の匂いみたいなものを何となく感じたけれど。 加藤周一さんは1919年の生まれだから、現在、80代なかばになる。まだまだお元気なようで、「9条の会」でも中心になって活躍されている。世紀が替わる数年前、この人の『私にとっての20世紀』と網野さんの『日本とは何か』を一緒に本屋で買ったのは、世紀の変わり目にふさわしい読書体験だった。
by suiryutei
| 2005-09-06 10:04
| 映画・TV
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Comments(2)
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tetsu-ushi at 2005-09-19 13:31
宮崎監督は、『もののけ姫』の製作にあたり、故・網野先生の史観から強い影響を受けていらっしゃったようです。
『もののけ姫』の映画パンフレットには、網野先生自ら寄稿された解説文が載っていたりしていましたし。
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by
suiryutei at 2005-09-19 16:12
tetu-ushiさん、お久しぶりです。
『もののけ姫』のパンフに網野さんが書いていらっしゃったんですか。あの映画の時代なら網野さんの独壇場だし、製鉄集団の描き方なんか、なんとなく網野史学っぽいなあと感じました。 ご教示ありがとうございました。
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