新人事制度 大阪での報告①~③
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日付が7日から8日に替わっていた夜中だから、3日前ということになる。目が覚めてしまった。 なかなか眠りに戻れないので、起き出して時刻を見ると午前3時すこし前である。音量を小さくしてラジオを点ける。NHK〔ラジオ深夜便〕がかかっている。男性アナウンサーが言うことに、明日の午前2時台はバーブラ・ストライサンドの特集だと。 そういえば4年前もこんなことがあったなと思い出した。 2021年6月、コロナワクチンの接種を初めて受けた。多くの人が体験したことだが、注射された箇所が夜中に痛み出すのである。酔流亭もそうであった。痛みで目が覚めたのか、あるいは目が覚めてから腕が痛いのに気づいたのか、よくわからない感じだったが。 午前2時過ぎで、ラジオを点けると倍賞千恵子の歌声が流れてきた。〔ラジオ深夜便〕の午前2時台は1人の歌手をよく特集するようである。 4年前のそのときは眠りに戻れないままラジオを聴きながら、そういえば倍賞千恵子とバーブラ・ストライサンドとはほとんど同世代だな、などと思ったものだ。前者は1941年、後者は42年の生まれ。 そのバーブラの特集を今度はやる。4年前と違って、今は〔聴き逃し配信〕というのがある。番組のHPに行ってそこをクリックすれば、放送後一週間以内ならいつでも聴ける。夜中に起きなくてもいいのである。 で、昨日それを聴いた。このサービスを初めて利用した。9日の午前2時台にほぼ1時間、NHKラジオ(AMでもFMでも)で放送されたもの。 彼女で酔流亭が印象に残るのは『追憶』という映画だ。主演(ロバート・レッドフオードと共演)するとともに主題歌も歌っている。ラジオでも最初にかかった。 この映画のことは4年前の秋〔いてんぜ通信〕に書いたことがある。 上に貼り付けた文章はかなり長いので『追憶』について書いたところだけ下に抜き書きする。 1973年の作品だが、描かれる時代は1930年代後半から50年代にかけてだ。バーブラ・ストライサンド演じるヒロインのケイティはまず、アメリカの大学で共産青年同盟の活発な活動家として登場する。キャンパスで開催された学生集会ではスペイン人民戦線への支援を訴えた。初め彼女に「モスクワの操り人形!」などとヤジを飛ばしていた学生もやがて聴き入って拍手を送るのに、人民戦線の時代の雰囲気を感じる。最後は妨害が入ってアジテーションをかなりぶちこわされはしたけれど。 そうして左翼の志を曲げない彼女が卒業後に働いているのが戦時下の政府機関である。なにかラジオの仕事をやっている。仕事を終えて立ち寄った酒場でロバート・レッドフォード演じるハベルと久しぶりに再会した。学生のときからの知り合いだ。ハベルはノンポリで、学生の頃もケイティがストライキの準備でキャンパスを駆けずり回っているのを横目に、ガールフレンドたちにいつも囲まれている。なにしろ半世紀前のレッドフォードが演じたのだからハベルは稀代のハンサムである。モテないわけがない。 再会を機に、ケイティのほうが積極的に、二人はいい仲になっていく。とはいえ片や闘士、もう一方はノンポリだから、当然軋み合うのだが、小説家を志すハベルの文才をケイティは見抜くし、ハベルも自分は左翼運動に関わり合わないけれども運動に没頭するケイティを包み込む包容力はある。 ケイティの部屋にレーニンやスターリンの肖像だけでなく、当時のアメリカ大統領ルーズベルトの写真も貼ってあるのが面白い。彼女の職場が政府機関であるのとともに、これがニュー・ディールの一面だったのだろう。もっとも、当時のアメリカ共産党がニュー・ディールの進歩性を過大評価してルーズベルトを仲間のように考えたのは階級的視点を曇らせた誤りだと、後に国際共産主義運動の内部では批判されもしたけれど。 ルーズベルト亡きあと(45年4月没)の戦後、政府と左翼の蜜月期は去って、アメリカことにハリウッドには赤狩りが吹き荒れる。映画の脚本を書くようになっていたハベルはこれに妥協して不本意な脚本を仕上げる。ケイティは節を曲げない。それまで軋みあいながらも相手を理解してきた二人だが、ここで人生は分かれてしまう。 それからしばらく経って、街角で二人は偶然出会う。ハベルは再婚した相手と一緒で、ケイティのほうは街頭で原水爆反対の署名運動をやっているところである。おそらくビキニ事件の何年か後だろう。同事件とは1954年、焼津のマグロ漁船<第五福竜丸>が太平洋のマーシャル諸島ビキニ環礁で操業中、アメリカの水爆実験で放射能を浴びた。半年後に無線長の久保山愛吉さんが亡くなる。ケイティが立つ背に「HIROSIMA」「NAGASAKI」と書かれたポスターや立て看板が映し出されている。 好き合っていながら一緒の人生を歩み続けることはできなかった二人である。しかし、映画では二人それぞれにリスペクトが払われている。視終って余韻が残る所以かと思う。 ![]() 満天星(ドウダンツツジ)です。昨日、神田明神の裏で撮影。境内では桜がさかんに散っていた。
by suiryutei
| 2025-04-11 09:18
| 音楽
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Comments(6)
![]()
こんにちは 我が家のドウダンツツジ満天星躑躅もよく咲いています。小手毬も綺麗に咲いています。山吹や白山吹も綺麗に咲いています。芝桜も綺麗で様々な花が咲く時期になりました。
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星の王子様さん、コメントありがとうございます。百花繚乱ですね!
そういえばたしか銀座にグリル満天星というレストランがありますが、あそこは<どうだん>と読むのか<まんてんぼし>か。 ![]()
NHKに時々シェフが出ることがありまんてんせいと読んでいたと思います。麻布本店いろいろなところに店がありますね。
<まんてんせい>でしたか! 知らなかった。
ご教示ありがとうございます。 ![]()
この映画「追憶」をネットTVで最近見ることができました。
ハベルはボートの漕手でもあるので興味深かったです。 結婚してハリウッドに転居してからもハベルは自室の壁にボートの写真を掲げていましたが、それが不思議な写真で、選手が7人しか写っていません。ボート競技は1人(両手漕ぎ)、2人、4人、8人の漕手しかありえないので、7人の選手がいるとすれば、9人乗り(漕手8人、舵手1人)のエイトというボートのはずです。9人のうち7人しか写っていない写真に、何の意味があったのか疑問を持ちました。 異なる考え方を有している恋人同士が、結婚して子供を持ち、生活を営むことの困難性は実はとても大きな課題であると言えます。ケイテイは、学生時代の考え方、生き方の内容を変えずに一貫して社会に関与している点でむしろ誇りに思うべきで、誰であれそれを非難できることではありません。ハベルはケイテイのそういう一貫した生き方を尊重しているからこそ、恋人時代に一度は別れようとしたのですが二人は結婚したのです。 ハベルの浮気がきっかけになって離婚するのですが、そのあともハベルはケイテイの生き方を認めていたのだと思います。
墨田のカッパさん、コメントありがとうございます。
私はケイティの部屋に貼ってあった写真のうち女性の踊り手らしき人の写真が誰なのか気になっているのですが、ハベルの部屋のボート選手の写真は気が付きませんでした。さすがボート競技をやっていたカッパさんは見るところが違うなあ。 ハベルがケイティの生き方を認めていたというのは、そのとおりですね。とても好きな映画です。
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