新人事制度 大阪での報告①~③
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昨日は一日よく降った。風も吹いた。 関東ではことに夕方から雨脚が強くなった。ちょうど飲み始める時刻である。雷も盛大に鳴る。 ザアザアと降るのを、ゴロゴロと鳴るのを聴きながら飲むのも悪くない。酒は和歌山の〔黒牛〕の純米。このところ家ではずっとこれを飲んでいる。 一夜明けて、敗戦80年の憲法記念日は朝から快晴だ。 先月28日の朝刊に載っていた記事だから、もう5日前になる。 すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有すること、そして国は社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上と増進に努める義務があること を定めた憲法25条に明らかに反する事態がすすんでいるのではないか。全国のがん専門医で作るグループが最近行なった調査によれば、新薬を含む最近の治療では、10~15年前に主流だった従来の抗がん治療に比べ、薬剤費が10~50倍になっていたというのである。 新薬の開発によって治療効果はたしかに格段に向上しているらしい。10~15年前といえば、職場の同僚(酔流亭とほぼ同年齢)で肺がんになって抗がん剤治療を受けていたけれど力尽きて亡くなった人がいた。現在なら最新の薬で助かるかもしれない。しかし、それには10~50倍のコストがかかるというのだ。 もちろん保険制度があり、所得に応じて月ごとの負担に限度が設けられる高額療養制度(酔流亭も一昨年二度続けて入院したときはこれに助けられた)があるから、かかるコスト全額を患者が負担するわけではない。しかし、調査では月100万円以上の治療を受けている患者が17%いた。この人たちは3割負担だとすると毎月30万円以上は自己負担しなければならない。富裕層でなければ続けられないだろう。 「・・新薬は開発コストなどによって高額になっている」としか記事は解説しないが、技術開発や薬剤の希少性によって費用がかさむとしても、それだけでこれほどべらぼうな高額になるのであろうか。人の命と引き換えに暴利をむさぼっている輩がいるのではないか。 これもまたデヴィット・ハーヴェイの言う「略奪による蓄積」であるように酔流亭には思われる。 ※ハーヴェイが言う「略奪による蓄積」については今年3月24日更新記事から引きます。 経済地理学者のデヴィット・ハーヴェイは『資本論』でマルクスが分析した資本の原始的蓄積と共に、略奪による蓄積もあることを説く。原始的蓄積は封建制の胎内に資本主義がはらまれたときの一回性のもの。略奪による蓄積は資本主義が続く限りくり返され、こんにちのような新自由主義の下でそれは激しさを増す。このかんの諸物価値上げはまさにこの略奪による蓄積であるように思う。 なお斉藤幸平は「・・デヴィット・ハーヴェイは、本源的蓄積を<略奪による蓄積>と定義し」云々と書いているが(斉藤『人新世の「資本論」』249ページ)、それは斉藤の誤解である。ハーヴェイは本源的蓄積とはべつに略奪による蓄積も資本はやると述べているのだ。ハーヴェイの近著『反資本主義』(日本語版は2022年刊)にそれは詳述されている。
by suiryutei
| 2025-05-03 08:43
| ニュース・評論
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Comments(4)
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おはようございます 2000年以降世界の新薬開発競争は熾烈でうまくいくことは稀有で開発コストは膨大です。価格転嫁できなくなるなら製薬会社は潰れ、新薬開発も進まなくなります。スイスのロッシュと提携している中外製薬の会社説明会に何回か参加し、また第一三共の株主でいとこで現在イーライ・リリー勤務の人、かつて小野製薬に勤務していた人がいてある程度事情を把握しています。医師や医薬品メーカー勤務のお知り合いはいませんか。
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星の王子様さん、コメントありがとうございます。
製薬会社からはそう説明があるのはわかるのですが、ここはちょっと意見の分かれるところでしょうね。 ![]()
おはようございます 昨日塩野義製薬がJTの医薬品鳥居薬品TOB公開買い付け、買収発表 中堅薬品会社 新薬開発費が巨額化し再編が進む 日本は世界標準でみると規模が小さい医薬品会社が多く生き残りをかけた統合でリストラも生じるので医薬品企業がキャッシュを多めに保有するのは妥当と考えます。
星の王子様さん、おはようございます。この業界にお詳しいのですね。どこの業界でもそれぞれの企業は生き残りに必死であるのは了解しています。
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