新人事制度 大阪での報告①~③
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21日の更新記事で訃報を伝えた岩見崇さんの告別式は昨日、松戸市内で行なわれた。 喪主であるご長男の挨拶を聴いているとき、熊沢誠さんの著作『職場史の修羅を生きてー再論・日本の労働者像』に登場する銀行員、河部友美のことが頭をよぎる。 というのは、岩見さんも銀行で働いていたからだ。河部友美は1978年1月に47歳で交通事故死している。岩見さんは享年92だから、ほとんど同年配だ。2人は同じ時代を銀行労働者として生きたのである。 「河部友美はその半生を通じて、家庭では愛妻家の子ぼんのうであり、銀行ではまじめな仕事人間であった。しかし彼はまた、一方では執拗な反主流派の職場活動家であり、他方では終始一貫、反体制の論理を求め、抵抗に生きた人びとの生きざまを追慕してやまなかった真摯な勉強家であった」 (筑摩書房『職場史の修羅を生きて』1986年初版38ページ)。 岩見さんは女性だが、上の引用は男女を入れ替えれば、そのまま岩見さんを語るものとなるだろう。子や孫との仲が濃やかなものであったことは、昨日のご遺族がたの様子からも覗われた。 大切に持っていらした佐多稲子の文庫本に鳩居堂の包装紙を使ってカバーをかけてあったことも21日更新記事で写真付きで触れた。勤めていた銀行では銀座支店にいらしたという。ならばあの老舗文房具店へは仕事帰りにもしばしば寄られたろう。 熊沢さん著作中の「ある銀行労働者の20年」と題する章では、合理化が進んでいく中での河部ら左派活動家たちの苦闘と葛藤が辿られている。2012年、酔流亭がJP労組全国大会代議員選挙に少数反対派として単身立候補したとき、岩見さんに強く励まされた。ご自身の体験をふまえてエールを送ってくださったのである。 昨日の関東は曇り空で、真夏日近い暑さだった数日前までとは打って変わって肌寒いほど。葬儀日和なんて言葉は無いと思うが、喪服を着て参列するにちょうどよい気温で、心が洗われるようなお別れであった。夕方、帰宅する頃ようやく小雨が落ちてきた。
by suiryutei
| 2025-05-25 06:39
| 文学・書評
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