新人事制度 大阪での報告①~③
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先月末は『伝送便』誌の発送作業を休んでしまったので、その7月号を昨日やっと手にした。雑誌『労働者文学』No.94の校正作業のため本郷まで出る途中、神田にある『伝送便』事務所に寄って取ってきた。 遅くなりましたが、酔流亭寄稿の全文を転写します。なお『労働者文学』のほうは今月末に完成の予定です。 ![]() 一審で捜査が違法、二審では事件がそもそも捏造と断罪され、東京都(警視庁)と国(東京地検)は計一億六六〇〇万円の倍賞を命じられて六月一二日に判決は確定した。朗報ではある。しかし、恐るべき権力犯罪が危うく遂行されるところであった。 横浜市にある機械メーカー、大川原化工機が作る「噴霧乾燥機」とは、噴霧した液体を熱風で粉体に加工するものだという。もともと粉ミルクやふりかけの製造過程で使われてきた。それが「生物兵器などに技術が転用可能」、中国や韓国に輸出されたのが「外国為替及び外国貿易法違反」だとして同社社長ら三人が逮捕。起訴された。兵器に転用できるものではないことは追加検査をやればわかったのに。 勾留は二〇二〇年三月から翌二一年二月まで一一か月に及び、三人のうちの一人、同社顧問(当時七二歳)は勾留中二〇年一〇月に胃癌が判明したのに、保釈が認められないまま翌年二月に亡くなった。 私も二年前に摘出手術を受けた身だから言うのだが、胃癌なんて、よほど進行していない限り発見されてすぐ手術を受ければ助かる可能性はかなり高い。 亡くなった方の胃癌が見つかった時点でどこまで進行していたのか、すぐに入院ができず(認められたのは一一月になってから)精密な検査を受けられなかったわけだから今や知りようがないが、勾留され続けたということそのものが癌を進行させただろう。外部の病院に入院したときには癌は肝臓に転移、もう手術ができない状態だったとのことである。罪を認めなければ外に出さないという「人質司法」による殺人ではないか。 事件の捏造といえば、思い出すのは横浜事件だ。戦時下の一九四二年、著名な政治学者・細川嘉六が雑誌に発表した論文が、政府の植民地政策の批判のみならず共産主義思想を宣伝するものとされ、治安維持法違反に問われた。政府の植民地政策に批判的であったのはそうだとしても、共産主義云々は強引なこじつけである。そのこじつけを押し通すために特高警察は事件を捏造した。雑誌に論文が発表されたあと、細川嘉六は世話になった編集者たちをねぎらおうと、自分の郷里・富山県泊海岸(現・朝日町)に彼らを招いて宴会旅行を催した。それが「共産党再建のための秘密会議」とされたのだ。戦争をやっている国家はえてしてこういうことをやる。 今回の大川原工機の事件捏造の背景には、中国を仮想敵としての<経済安全保障>なるものがある。敵国を相手に商売をするような“国賊”は痛めつけてやれとばかり、検察・警察の担当者はいきりたったのだろう。 国がこれから戦争を始めたがっていることの前触れみたいな捏造事件である。そんな道を進んではならない。 ![]()
by suiryutei
| 2025-07-05 08:12
| ニュース・評論
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