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大リーグのTV中継を視ていて好ましく思うのは、出塁した攻撃側の走者と、その塁を守る守備側の内野手とが笑顔で言葉を交わし合い、ときには肩を抱いたりしていることである。いま行なわれているワールドシリーズで言えば、ブルージェイズの主力の一人ゲレーロ・Jr選手がヒットを打つなり四球なりで一塁に出ると、ドジャースのフリーマン一塁手と何か一言二言話す。ゲレーロも一塁手だから、守備にまわっているときは、たとえば大谷選手が出塁したら2人は笑顔を交わし合う。 所属チームにかかわらない、自立した選手同士の関係があるように思う。日本のプロ野球中継を滅多に視ないから比較できないのだけれど、日本でもそうであろうか。 もっとも昨日のワールドシリーズ第二戦では、ドジャースの山本投手の投球があまりに素晴らしく、4回以降はブルージェイズは1人も出塁できないパーフェクト・ピッチング。フリーマン一塁手とブルージェイズの選手が塁上で談笑する場面は見られなかった。 ブルージェイズのカーク捕手は、ストライクかボールか際どい球をストライクにしてしまう技術が優れている、という話題が実況アナウンサーと解説者の間で出た。野球に疎いからよくわからないのだが、ストライクゾーンからはみ出し気味の球をゾーンの内側にずらすように捕球することに長けている、ということだろうか。 そういう技術とか、あるいは暴投球を後ろにそらさない技術とか、一つひとつのワザを切り分けて評価する仕組みが大リーグでは進んでいるそうだ。これって職務分析ということだろうか。労働研究者の遠藤公嗣さんあたりが聞いたら面白がりそうな話という気がする。同一労働同一賃金を広げていくために、遠藤氏は正確な職務分析を確立することをかねてから提唱している。 プロスポーツの世界と労働社会とは同じではないにしても、アメリカはやはりジョブ型社会である。 ところで、ジョブ型といえば、日本では労働運動のほうでそれを忌避する傾向が強い。使用者側が、ジョブ型働かせ方の雇う側にとって都合のよいところ(例えば残業代ゼロ)だけつまみ食いして「これが世界標準です」とばかり取り入れようとするから警戒するわけだが、そのあまり、これまでの「日本型雇用」に対して無批判になっていないだろうか。「日本型雇用」が所属企業への従属や従順を育んできた、その弊害もまた明らかなのに。 ジョブ型を忌避するばかりでは、運動は袋小路に押し込められはしないか。
by suiryutei
| 2025-10-27 09:03
| スポーツ
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