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一昨日の午後NHKBSで放映された『ジャッカルの日』(フレッド・ジンネマン監督、1973年)は、フランスのドゴール大統領の暗殺を企む殺し屋と、それを阻止しようと躍起の治安組織の動きを追う。ドゴールはもちろん実在した人で(1890-1970)、暗殺未遂事件を何度もくぐったというから、映画に描かれたどこまでが史実で、どこからは原作者フレデリック・フォーサイスの創作なのか、フランスの事情に疎い海外の人間にはよくわからない。冒頭のほう、ドゴールを含む政府要人たちが閣議のあと車で移動中のところを極右組織OASに待ち伏せされ銃撃を受ける場面は、実際にあった暗殺未遂事件の一つをモデルにしたらしい。 そのあとの展開ーOASの幹部たちが万策尽きて、法外の大金を無理して調達し、殺し屋を雇うところからは、もう原作者の創作ということである。その殺し屋のコードネームがジャッカルだ。 なおドゴールの大統領としての在位は1959年から69年まで。辞職する前年の1968年にはフランスでは5月革命が起きている。ドゴールは労働者や学生の反乱を鎮圧したが、革命はそのあとドゴールを権力の座から追いはした。 さてドゴール暗殺を企てるOASは、フランスが植民地支配したアルジェリアをあくまで手放すまいと固執した連中である。しかし、アルジェリア民衆の独立運動はもう抑えることはできない。他国に支配され収奪されて黙っている人民などいないのだから、当たり前だ。ドゴールは元々右派であったけれど現実主義者でもあったから、アルジェリア独立を認めざるをえなかった。OASはそれでドゴールに対して憎さ100倍となって暗殺を目論んだのである。ドゴールがアルジェリア独立を承認したのは1962年、映画が描く暗殺未遂事件は1963年の設定になっている。 フランスの公安警察はOASの幹部の一人を街なかで拉致して尋問する。拷問を加えるのである。フランスはベトナムでアルジェリアで民族独立運動を弾圧し続け、しかし結局おさえきれなくなって撤退したのである。弾圧するにあたって運動参加者への苛烈な拷問をくり返したのは、アルジェリア独立運動を描いた不朽の名作映画『アルジェの戦い』(ジッロ・ポンティコルボ監督、1966年)からも覗える。 また、ジャッカルに対する捜査を仕切った警視は、政府の要人たち全員の家に独断で盗聴装置を仕掛けた。「テロとの戦い」を通じて、民主主義を建前にする国でも警察国家化が進んでいく。これは実に現在の問題であって、よその国を「権威主義国家」などと嘲っているうちに<自由>や<民主主義>が自慢であったはずの国が危ういことになっているのは、トランプのアメリカや高市の日本をみればわかる。 フレッド・ジンネマンはやはりたいした監督だと思う。知人の牧子嘉丸さんから数年前ビデオをいただいた『山河遥かなり』という同監督の初期の作品(1947年)もいい映画だったことを思い出した。
by suiryutei
| 2025-11-28 08:13
| 映画・TV
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