新人事制度 大阪での報告①~③
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酔流亭の机の引き出しのひとつに、新聞記事の切り抜きを放り込んでおくことにしている。これが、去年暮れにもう一杯になってしまって、今年になって切り抜いたものは机の上の左のほうに溜めたままだ。 それを整理しようと思い立った。一番古い記事は1990年のものだ。東西ドイツが統一されたときのワイツゼッカー大統領(当時)の演説の切り抜きなんかがある。驚くのは、あのころの文字の小さかったこと。よくこんな細かい字を読んでいたなあ、と思う。 新聞はずっと『朝日』なので、大岡信さんの連載『折々のうた』から、この牧水の歌を切抜いたのは、何年前の夏の終わりだったかしら。 いつしかに夏はすぎたりただひとり野中の線路われの横ぎる 故・山口瞳の国立市にある家が集中豪雨で水害に遭ったときのこと。 日頃つきあいのある出版社や雑誌社の社員が復興作業の手伝いに来る。ところが、出版社の編集部員ほどこういうとき役に立たない人間はいないらしい。この職業の人にとっては、なにしろ小説家の家の書庫というのは“宝の山”だ。作家仲間から贈られた本だの過去の執筆で利用した資料だのがゴマンとある。それを読み出すと、もう止まらなくなるらしい。片付けを忘れて読みふけってしまう。そのことを山口瞳は苦情としてでなく、面白がってエッセイに書いていた。 酔流亭の机にある切り抜きの記事なんか別に珍しいようなものではないけれど、興味を引かれて取って置いたものであるから、いま手にしても、ついひきこまれて読んでしまう。たとえば12年前、1993年3月9日の『論壇』は「国連中心主義の死角」と題する弁護士・後藤昌次郎さんの寄稿だ。 「・・・はっきり言って、これらの国(国連の常任理事国のこと)はマッチポンプなのだ。ポンプの部分だけ見て人道的というのは、事の本質を見失ったものである」。 「いま日本政府は、常任理事国入りを目指しているというが、しょせん常任理事国に北の大国がふえるだけの話だ。そのような高慢で狭い了見は捨て、戦前、石橋湛山が大日本帝国に対して小日本主義を唱えて軍部と戦争に抗したように、小国の立場に立ち、小国とともに歩まなければならない」。 12年の時を超えて、現在でもそのまま通用する議論である。後藤さんがマッチポンプと言ったのは、五大国が全て武器輸出国、「死の商人」であることを指しているのだが、アメリカなど、そのマッチポンプぶりはいよいよひどい。と同時に、イラクでの立ち往生でも明らかなごとく、大国の思い通りにはもう動かないのが今日の世界でもある。石橋湛山の小日本主義が国際社会における規範として見直される時代が来ているのかもしれない。 ・・・こんなことを考えていると切り抜きの整理は一向にはかどらない。まあ、年内いっぱいかけて・・・。
by suiryutei
| 2005-10-10 13:18
| 身辺雑記・自然
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Comments(2)
引き出しから出したものと、机の上に積み上げてあるものをひと山にして、そこから一枚ずつ引っ張り出しては読み耽る姿が目に浮かぶようです。年内一杯で片付くとよいのですが・・・。
私なら、年内一杯かけて読み直して、今度は少し大きめの引き出しにごっそり全部放り込んでしまいそうです。
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sakuraasakoさん、コメントありがとうございます。
この三連休、関東はずっと雨でした。今日も一日、家にこもっていたので、机の片付けをやろうという気になったのですが・・・。 古いのは、もう纏めて段ボールの箱に入れて納戸に置こうかと思ったのですけれども、それではすぐに取り出せなくなってしまう。読んでも面白いし、このブログ日記を書く上でもいい資料になりそうな記事が多いので、さてどうしようかと思案しています。 ああ、片付けられない男だなあ・・・。
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