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14日に発表された直木賞の受賞作品『カフェーの帰り道』(嶋津 輝)が約100年前のカフェーで働く女性たちの物語で、舞台となるカフェーは「上野と湯島と本郷の狭間にある」(185ページ)と聞いて、それってまるで佐多稲子の世界じゃないのと、まず思った。 佐多稲子(1904-1998)は、ちょうど100年前の1926年、離婚したあと本郷動坂のカフェー紅緑に勤めているからだ。そのころ中野重治、堀辰雄、窪川鶴次郎らと知り合い、文学への道に入って行くのである。 もっとも、佐多稲子をモデルにしたような人物はこの作品には登場しない。とはいえ、作者が佐多を意識したであろうことは、5編の短編からなる一冊のうち最初の作品のタイトルが『稲子のカフェー』であることからも覗われる。ここでの主人公・稲子は、しかしカフェーで働く女給さんでも左翼小説家でもなく、夫がもしかしたらカフェーの女給と深い仲になっているのではないかと不安にかられる40年配の主婦だ。その疑いはじき晴れるのだが。 3編目の『出戻りセイ』という作品では、セイという女給さんと懇ろになる常連客は、神田五軒町の床屋で働く理髪師。神田五軒町といえば郵政共同センター(『伝送便』事務所)のあるあたりだから、酔流亭、つい親しみを覚えるが、小説の中では神田五軒町には床屋は2軒しかなくて、堀田理髪店と佐多床だという。 理髪師がどちらの店で働いているのかは作中では明かされない。しかし、1軒の店名が佐多というのは、冒頭作『稲子のカフェー』における稲子と同様、こういうネーミングによって大先輩に対して敬意をこめて挨拶をしているのであろう。 『カフェーの帰り道』という作品(嶋津 輝 著)そのものの感想は、また後日述べる折りがあるかも。 ※100年近く前の佐多稲子の作品について酔流亭が雑誌『労働者文学』に書いたものとして。
by suiryutei
| 2026-01-20 08:03
| 文学・書評
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