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関東きっての蕎麦の産地・茨城県金砂郷だと、蕎麦の白い花が咲くのは9月中旬、それから実が生って新蕎麦が食べられるようになるのは11月に入ってからだ。花から食べるまで一ヶ月半~二ヶ月かかる。 芭蕉の「蕎麦はまだ花で迎える山路かな」、あるいは誰が詠んだのだったか「やがてみよ棒くらわせん蕎麦の花」の「まだ」と「やがて」は、これだけの時間差を含意している。後者はおだやかならぬ表現だが、蕎麦を打つのに「のし棒」を使うからだろう。 それで、今頃は蕎麦好きにとっては新蕎麦が待ち望まれる時季にあたるわけだけれども、日本列島は細長いから、北海道あたりではもう蕎麦は収穫されて、それが都内の蕎麦屋でも新蕎麦として出回っている。一方で、まだ花を咲かせている蕎麦畑もあるようだ。去年は北海道の産地が台風の直撃を受けて大きな被害を出した。今年、何の災害も起きぬことを願いたい・・・と思っていたところでパキスタンで大地震だ。死者数は数万になるとの報道を目にすると、自国内だけで「実りの秋」を祝っていてはすまぬような気がする。 昨夜、夕食のあと一杯機嫌で斉藤茂吉の歌集『白き山』を久しぶりにめくってみた。こんな歌が目に入る。 蕎麦の花咲きそろひたる畑あれば蕎麦を食はむと思ふさびしさ そのころ茂吉は山形県の大石田(最上川の中流域)に移り住んでいた。大石田は蕎麦の産地である。いかに鰻好きの茂吉といえども、ときには蕎麦も手繰ったろう。そしてこの歌は敗戦翌年のものであるから、戦争で疲弊しきった日本列島の社会に、飢餓死の恐怖は現実のものとしてあったろう。 その当時と比べれば、問題山積ながらも日本は豊かになった。地震の被害の経験を多く蓄積している国として、また農作物の自給も出来ぬくせに食料を世界中から買い集めて余らせている国として、被災地に有効な支援をしたいものである。
by suiryutei
| 2005-10-11 09:52
| 酒・蕎麦・食関係
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