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一昨年の前期(4月~9月)に放送されたNHK朝ドラ『寅に翼』のスピン・オフ(番外編)『山田轟法律事務所』が20日夜に放送されたのを録画しておき、昨夜視た。 『寅に翼』については、憲法を大事にしている姿勢に酔流亭は好感を持ったので『伝送便』24年10月号にそのことを書いた。 また、ドラマに登場する松山ケンイチが演じた裁判官が全逓東京中郵事件とも因縁のある実在の最高裁判所長官・石田和外をモデルにしていたので、それにも触れた。 今回のスピン・オフ『山田轟法律事務所』については、夕食を摂りながら、つまり酒を飲みながら視たので、感想を書くのはまだ控えよう。そんな視方をしたあと何か書くのはドラマを作った人に失礼である。録画はまだ消さずにおいてある。 今朝は目に留まったことだけメモしておく。 ドラマはたしか、敗戦直後の東京の街で、朝鮮人の婦人が引く屋台の食べもの屋に土地のチンピラが因縁をつけているのに山田よね(スピン・オフでの主人公。本編での主人公であった伊藤沙莉演じる寅子の親友である)が遭遇するところから始まる。そこに朝鮮人の青年が割って入って、そのチンピラたちの横暴を止めようとする。 山田よねを演じるのは土居志央梨。そのあと、まだ弁護士になる前だが、以前勤めていたカフェーの店舗跡を使って法律相談や代書を始めた彼女のところに被差別部落出身の男性が現れる。差別から逃れるために苗字を変えることができないかという相談である。この男性はこのあと冤罪にひっかけられそうになったりを経て、ドラマの最後のほうでは、苗字を変えることで差別から逃れるのではなく、苗字を変えずに差別と闘うという方向に進んでいく。 『寅に翼』本編でも、明律大学法学部での寅子や山田よねの同級生に、朝鮮からの留学生であるヒャンを配することによって、日本による朝鮮植民地支配、朝鮮人差別を視る者に見えるようにしていた。ヒャンの兄は朝鮮独立運動の活動家として公安に追われていたのである。 (しゃがんでいるのがヒャンちゃん。右の男装が山田よね) 『山田轟法律事務所』において被差別部落の男性があわや冤罪に落とされかけるというエピソードを挿入したのは、狭山事件のことが脚本家・吉田恵里香の念頭にあったのかもしれない。 朝ドラのスピン・オフというと、たいていは明るくコミカルな作になるが、今回は「全編を流れる重たい空気感」(明治大学法学部・村上一博教授の解説)がある。 日本初の女性総理誕生の下で進む世の中の息苦しさに対する、ドラマ作り手たちの物申したい思いが感じ取れるような。
by suiryutei
| 2026-03-24 09:25
| 映画・TV
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